帝王の誘い
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「じゃあ堂々と渡せるな」
『そうだよ!堂々と!男らしく!』
ガッツポーズをしながら励ますと、牧は鞄から小さな紙袋を取り出した。そして、それを私に向けて差し出したのだ。
「受験、頑張れよ。終わったら、話したいことがある」
『えっ…』
あれ?何だろう?
牧は好きな子がいて、気持ちを伝えたいけど受験を控えてるからせめて御守りを渡したいって話だったよね…?
んで、その御守りを私に渡してきた…ってことは…?
『ブッ…ちょ…牧……』
「なんだ、何か面白かったか?」
『いや…だって…それってもう…』
〝告白してるようなもんじゃん〟と言おうとしたけれど、やめておこう。牧があんな顔をするくらい真剣なんだと凄く伝わったから。
私は御守りを受け取り、ギュッと胸に抱えた。
『ありがとう。頑張るね。話聞くの、楽しみにしてる』
「……」
お礼を言っても牧の反応は無く、むしろ頬を染めてぼんやりと立ち尽くしている。
さすがに気付いたのだろうか?まあでも、どんな風に告白してくれるのか楽しみだから黙っておこう。
やっぱり、牧の隣りが落ち着くなぁ。
顔を見上げるこの体勢は、部活に入った時からずっとしてきたから身に染み付いている。
今度は〝女帝〟として、あなたの顔を見上げさせてね。
絶対に合格通知を持って見せに行くから。
おわり
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