未来もきっと
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デザイン会社に就職して三年目、ようやく仕事にも慣れてきた。ただデザインするだけでなく、売り方や交渉の仕方、顧客のイメージを形にする力…など、この三年でたくさんの事を学んだ。
ある日、課長に呼ばれ、ある案件を私に任されると言われた。資料を見ると、お正月用のお重をデザインする仕事だった。大きさやイメージ、予算などが細かく設定されている。
一年の門出を祝う大切な日の食事をより美しく、美味しく魅せる引き立て役…けれど、欠かせない物だ。
私はすぐにクライアントにアポを取った。
絶対に良い物を作るんだ…!
帰宅してすぐに、私は魚住さんに電話で仕事のことを報告した。
『…でね、初めての仕事はお重に決まったの!』
「そうか!良かったじゃないか。頑張れよ」
『思ったんだけどさ……いや、やっぱ何でもない』
「何だ?何でも言ってくれ」
本当は〝初めての仕事が和食器って、運命感じちゃうな…〟と言いたかった。でも、それは完成してから言おうと思った。それを言ってしまうと、甘えが出てしまいそうだから。
『ううん。大丈夫。まだ言わないっ』
「…そうか。完成したら是非見せてくれ」
『ありがとう。分かった』
その後、魚住さんが習得した新しい板前の技術の話、お正月に向けて準備を始めたことなど、色々な話をした。
魚住さんは優しい。ドッシリと構え、何でも受け入れてくれる。だからつい弱音を吐いてしまいそうになるけれど、大阪に来た日に見たあの空に誓ったから。夢を叶えるって。
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