ぽち袋チマチマ
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『輪投げか…何が当たんの?』
「あー…特賞は商店街で使える買い物券やな。でも実はなここだけの話、裏特賞があんねん」
『えっ…う、裏…?!』
「あの青いヒヨコに入ったら貰えんねん」
南が指さしたのは、一番手前にある小さな青いヒヨコのマスコット人形だった。手を伸ばせば大人なら輪を投げなくても届くくらいだ。
『えっ…こんな近いのに裏特賞なん…?』
「灯台下暗しや。ほれ、同じクラスのよしみで一回サービスや」
南は名前に輪を一つ渡し、投げるように促した。名前は戸惑いつつも手を伸ばし、裏特賞の青いヒヨコを目掛けて輪を投げた。そして、輪はヒヨコの頭に引っ掛かり一瞬外れそうになったが、何とか射止める事ができた。
「お前、コレ外したら相当ヤバいで」
『べ、別にお試しなんやからええやん』
確かにコレを外すのはかなりヤバい…と名前は恥ずかしそうにそっぽを向いた。それを見ていた南はプッと吹き出してしまう。
『わ、笑わんといて!早よ、裏特賞ちょーだいよっ!』
「いや、別にギリギリやったから笑ったんちゃうで。可愛いと思ったからや」
『…へ?あ?!このヒヨコ?!』
「アホ。お前じゃ」
南があまりにも真剣に目を見て言うものだから、名前はどうリアクションすれば良いか分からずにいた。ふと南がポケットからお年玉のぽち袋を取り出し、名前の目の前に差し出す。
「ほれ、裏特賞。開けてみ」
『えっ…あ……うん』
さっきぽち袋の話でひと笑いしてからのこの展開に、二人は若干気まずかった。中を見ると、そこには合格祈願の御守りが入っていた。
『えっ…こ、これ…』
「…受験、頑張りや」
何故予め用意されているのか、南は自分がこの神社に来ることを知っていたのか…色々な事がグルグルと名前の頭を駆け回る。
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