ぽち袋チマチマ
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元旦
今年は受験生という立場で迎えた一月一日、名前は友だちと最後の神頼みをすべく、初詣に来ていた。こういう場合、受験の神様的な神社に行くのが良いだろうが、有名どころは人で溢れ返る為、今回は友だちの家に近い神社でお参りをする。
友だちが言うには、近所の商店街が出店をやったりして、ちょっとしたお祭り気分を味わえるらしい。実際に来てみると、夏祭りのような賑わいをみせていた。
境内に手を合わせた後、せっかくだからと少し店を見て帰ることにした。すると、友だちの携帯電話が鳴った。
「ごめん、親からだ。ちょっと出て良い?」
『うん。ここで待っとるから』
友だちが少しその場を離れ、通路の真ん中に立つのもいかがなものかと思い、名前は少し端に寄ることにした。ふと横にある輪投げの屋台に目をやると、目つきが悪くて前髪が揃っている男が気怠そうに座っていた。
『あれ?南?』
「おー、何でお前こんなトコおるん?」
同じクラスの南烈は、バスケ部キャプテンであまり口数が多くなく、群れないクールな一匹狼…のように見えて、話すと意外とマトモな事を言うし、なかなか深みのある人物、と名前は思っている。興味があるし、むしろ好意を抱いている。
『最後の神頼みに…。南こそ何してんの?バイト?』
「俺んち商店街で店してんねんけど、店番したらお年玉はずむ言われて仕方無しに…」
『ブッ…アハハハハ!』
「なっ…何笑てんねん」
『ご、ごめ…南もお年玉貰うんやなぁって』
「はぁ?そら貰うやろ」
こんな大きな身体で、話しかけんなオーラバリバリの南が小さいシールが貼ってあるぽち袋を貰って喜んでいる姿を想像すると、名前は思わず吹き出してしまった。当然、南にとっては不本意であるが何となく名前が考えていることが想像できてしまい、恥ずかしくもあった。
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