南さんちのクリスマス
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おまけ
クリスマスより少し前のこと、買い忘れた物があるが名前は料理中で手が離せないため、代わりに南が行くことになった。一人でスーパーに行くなんて何年ぶりだろうと、ダラダラ歩いていると、前から見知った顔の男が手を振りながら歩いてきた。
「おう、南!一人か?珍しいな」
「まぁ、ちょっとな。お前、嫁さんは?」
「休日出勤やねん。んで、ええ機会やし、クリスマスプレゼント買うてサプライズしたろ〜思てな」
「ほーん…。お前、そういう所は昔からマメやなぁ」
「もしかしてやけど、南は嫁さんに何もやらんのか?」
「うちは子どもが生まれてからは、せんくなったなぁ」
南が言うと、岸本は何か思い付いたようにギラリと目を輝かせる。
「ほな今年は買ったらええやん。喜ぶで〜。渡した時にええムードになって……なぁ?」
ニヤニヤする岸本の考えている事は、大方見透かせる。南は呆れたようにため息をついた。
「そんなんせんでも、俺らは仲良うやっとるわ」
「そらよう分かっとるけどなぁ…でも、非日常って大事やで?名前ちゃん、毎日大変やん」
言われてみれば確かに日々生活に追われ、名前にプレゼントを渡すことも少なくなった。大げさな物だときっと申し訳なさそうにするだろう。何かいつも使えるような、ささやかな物なら…。
「まぁ、考えとくわ。ほな、そろそろ行くわ」
そう言うと、南は歩き出した。この時岸本は、絶対南がプレゼントを買いに行くと思った。南はそういう奴だとよく知っている。
そしてクリスマスの翌日、年末の買い出しに行く南家を遠目に見つけた岸本は、名前の髪にキラリと光るヘアゴムを見て全てを悟る。
すると、南がたまたま岸本の方を見て目が合った。そして、あの日の岸本のようにニヤリと口元を上げたのだった。
「…ホンマ、仲ええな」
岸本は、南家の夫婦円満の秘訣になりつつある。
おわり
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