南さんちのクリスマス
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そしてクリスマスの日
『ほな皆、今からサンタさん呼ぶからな?ええな?』
「うん!」 「早よ!」 「さんた!」
子どもたちは目を輝かせ、リビングのドアに注目していた。そして、ゆっくりとドアノブが動くと、細身で長身のサンタがやって来た。髭で顔はよく見えないが帽子が若干後ろにずれ、揃った前髪がチラチラと見えていることに名前は吹き出しそうになる。必死に堪えながら子どもたちを見ると、少し緊張しているようで反応が鈍かった。
「…メリークリスマス」
少し発音の良い英語風な言い方に名前はさらに吹き出しそうになる。笑ってはいけないと思うと、沸点は唐突に下がるものだ。
『皆、サ…サンタさんに…ブフッ……挨拶せな』
プルプルと堪えながら必死に声を出すが、子どもたちは緊張の為かあまり気付いていないようだった。
「メ、メリー…」 「クリスマス」 「さんた!」
何故か三人で一つの挨拶をしたのも、名前のツボを刺激する。もう限界だと思った時、サンタさんが無言でそれぞれにプレゼントを渡し始めた。
「あ…ありがとう」
長男が小さな声で言うと、サンタは優しく頭を撫でた。そして次男、長女と頭を撫で、手を振りながらリビングの外へと出て行った。ドアが閉まると、子どもたちはいそいそとプレゼントの袋を開け始める。もちろん中身は三人の要望通り、紐が付いた手袋だ。
長男は青、次男は緑、長女は黒だった。これもそれぞれの要望である。(ちなみに長女は〝佃煮色〟ということで、黒を選んだ。)
『凄いやん!お願いした通りのやつやなぁ』
「やったー!」 「かっこいい!」 「さんた!」
三人は手袋をはめ、手を握ったり開いたり、バンザイしたりしている。喜んで貰えたようで、名前の表情も緩んだ。
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