南さんちのクリスマス
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今年も残すところあと僅か。年末年始を迎える前に、子どもたちが楽しみにしているイベントがある。クリスマスだ。
南家のクリスマスには二つの決まり事がある。
一つは、サンタさんが来てくれるのは年齢を「つ」で数えられるまでということだ。長女が9つになるまであと7年であり、今年を含めるとサンタさんは南家にあと8回来る予定だ。もちろん、そのサンタさんはお父ちゃんである南の役割だった。
初めは寝ている間にプレゼントを枕元に置く方式でやっていたが、それが本当にサンタさんからのプレゼントなのか、と次男が言い出した事から、南がサンタさんの格好をして手渡しする方式になった。
衣装は岸本が何処からか入手してきた物を毎年使っている。プレゼントを用意すると同時に、名前はその衣装もクローゼットから引きずり出す。
決まり事の二つ目は、プレゼントはおもちゃ以外にすることだ。普段から孫に甘い両祖父母からおもちゃを買って貰える為、クリスマスは普段使えるような物をプレゼントする。もちろん、子どもたちの要望はしっかりと聞いて決めている。
子どもたちが寝静まった後、南夫妻はいつものように二人の時間を過ごしていた。
『そういえばサンタの衣装、出しといたで』
「あー…もうそんな時期か。今年は何やるん?」
『お揃いの手袋やって。落とさんように紐が付いとるやつってトコまで要求しとったわ』
「ふーん…ほな渡しやすいし、ええな」
南は、最初こそサンタの格好をする事に抵抗があったものの、子どもたちが喜ぶ姿を見てからはあまり気にならないようになっていた。
『あと8回、頑張ってな』
「8回言うても、あっという間なんやろうな」
『終わったら寂しいかもしれへんなぁ。あ!孫にもやったったら?』
「ジジイになってあの服はキツいやろ…」
そういえば去年も同じような事を言っていたな…と名前は思いながら、ホットジンジャーを飲んだ。心が温かいのは、きっとそのおかげではないと思いながら。
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