後編
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セックスの後、汗が引くと妙に冷静になるこの感じ……久しぶりだ…。
「名字さん、するの久しぶりだったんですか?」
『えっ…な…なんか私…粗相ありましたか…?』
「プッ…あははは!ごめんなさい。カマかけたら当たっちゃった」
神さんがこんな風に笑うのは、初めてだった。うわぁ…どうしよう…好きになっちゃう…。でもこれは大人の一夜限りの関係…!あの仕事はもう終わったんだから、神さんとも今までみたいには会わなくなる。打ち上げみたいなモンだ。そう、これは大人の打ち上げ!
少女のような気持ちを押さえつけ、いつの間にか身に付いた愛想笑いをしてみる。
もう、これっきりなんだから。
すると、黙り込む私の手を神さんが握った。思わず見上げると、真っ直ぐに私を見つめている。
「本当は今日、名字さんを食事に誘うつもりだったんです」
『えっ…?』
「仕事が終わって、もうこのまま会えなくなるのがなんか寂しくて。だから、名字さんが一人で飲んでる所に偶然を装って話しかけました」
ウソ…?え…本当に…?
『あの…それってつまり……』
言いかけると、神さんは私の口に指をあて、話すのを遮った。
「ベッドで気持ちを伝えたつもりなんだけどな。伝わらなかったなら…」
『わっ……』
あっという間に押し倒される体制になってしまった。目の前にはまた〝雄〟の顔になっている神さんが見える。
「伝わるまで、何度でも…ね…?」
再び私たちを霧が包んでいく。
次に霧が晴れた時、どんな景色が待っているのだろうか。
私のセカンドバージンは、物語の始まりに過ぎないのだった。
おわり
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