よっぽど
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文集を閉じ、ふと時計を見ると30分くらい過ぎていた。いかんいかん。このままだと片付けが終わらない。
文集は捨てないけれど、実家に置いていこう。そう思い、箱に戻そうとした途端、携帯に着信があった。
静まり返った部屋に響く着信音に身体がビクリと震える。
誰よ…こんな時間に…。
よっぽどで無ければ寝ていたことにして、出るのを止めよう。そう思い、画面に表示された文字を見た私は身体の動きも思考もピタリと止まってしまう。
〝諸星 大〟
えっ…ウソ……な…何で…?!テレパシー?!
慌てている内に、電話は切れてしまった。しかし、ある意味助かった。
まぁ、よっぽどの用事ならまた掛け直してくるだろう。もしかしたら、間違いかもしれない。鞄の中での誤発信ってよくあるもんね…!と自分を一生懸命納得させてみる。
しかし間髪入れず、再び私の携帯画面には大くんの名前が表示されたのだ。
こ、これは…〝よっぽど〟なんだ……!
私は意を決して、応答ボタンを押す。
『も…もしもし…?』
「あ!やっと出た!俺だよ、大。久しぶりだな」
うわぁ…大くんの声だぁ…。
声を聞いたのは久しぶりで、何だか前より男らしくなった気がする。鼓動が聞かれてしまうのではないかというくらい、私の胸はバクバクしていた。
『久しぶりだね。どうしたの?急に…ま、間違ってない?』
「え?なまえちゃんだよな?」
『そ、そうだよ』
「アハハ!じゃあ合ってるから大丈夫!」
相変わらずだなぁ。話しているだけで、元気が出てくる気がする。
『それで?何かあったの?』
「いや…なまえちゃんが東京の大学行くって聞いたから驚いてさ〜」
『あ…うん。そっか。わざわざ連絡ありがとう』
共通の知り合いから聞いたのかな…。でも、何でわざわざ連絡してくれたんだろう…。
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