世界で一番美しいラブレター
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そんなある日、こっそりバスケ部の練習を覗いていると岸本先輩が後輩らしき人を呼んで端の方で何かを話している場面があった。何気なく耳を向けると、どうやら注意をしているようだった。
「おい、板倉。何やねんさっきからあのプレイは。思っとる事あんねやったら言うてみぃ」
「えっと…その……」
後輩の方は言いたいことがあるようだが、萎縮しているのか言葉を詰まらせていた。その様子を察してか、岸本先輩が大きな声を放つ。
「アホ!!お前がそない気持ちでおったら試合の時に連携が乱れるかもしれへんやろ。こういうのは上も下も関係あらへん。ちゃんと聞いたるから言わんかい!」
なんて器の大きな人なのだろう。そして、情熱を持って部活に取り組んでいるのがビリビリと伝わる。真剣だからこそ、こんな事が言えるんだ。初めて見る真剣な横顔も、やっぱり凄く綺麗だった。
前言撤回。
どんな人でも良いだなんて思わない。
岸本先輩の内面を知ると、ますます描いてみたい。
岸本先輩ならきっと、私の話も、私の思いもきっと聞いてくれるよね…?
次の日の昼休み、私は岸本先輩のクラスに来ていた。探さなくても、その綺麗な横顔ですぐに見つける事が出来た。
気怠そうに焼きそばパンを頬張りながら、何を考えているのだろう。
もっと知りたい。
もっと色んな表情が見たい。
岸本先輩の人柄を、絵で表現したい。
私は迷いや戸惑いを捨て、意を決して声を出す。
『岸本先輩、絵のモデルになってくれませんか?』
振り返り、大きな目にとらえられたその瞬間、私はもう恋に落ちていた。
私の描くあなたの横顔は、きっと世界で一番美しいラブレターになる。
おわり
あとがき→
「おい、板倉。何やねんさっきからあのプレイは。思っとる事あんねやったら言うてみぃ」
「えっと…その……」
後輩の方は言いたいことがあるようだが、萎縮しているのか言葉を詰まらせていた。その様子を察してか、岸本先輩が大きな声を放つ。
「アホ!!お前がそない気持ちでおったら試合の時に連携が乱れるかもしれへんやろ。こういうのは上も下も関係あらへん。ちゃんと聞いたるから言わんかい!」
なんて器の大きな人なのだろう。そして、情熱を持って部活に取り組んでいるのがビリビリと伝わる。真剣だからこそ、こんな事が言えるんだ。初めて見る真剣な横顔も、やっぱり凄く綺麗だった。
前言撤回。
どんな人でも良いだなんて思わない。
岸本先輩の内面を知ると、ますます描いてみたい。
岸本先輩ならきっと、私の話も、私の思いもきっと聞いてくれるよね…?
次の日の昼休み、私は岸本先輩のクラスに来ていた。探さなくても、その綺麗な横顔ですぐに見つける事が出来た。
気怠そうに焼きそばパンを頬張りながら、何を考えているのだろう。
もっと知りたい。
もっと色んな表情が見たい。
岸本先輩の人柄を、絵で表現したい。
私は迷いや戸惑いを捨て、意を決して声を出す。
『岸本先輩、絵のモデルになってくれませんか?』
振り返り、大きな目にとらえられたその瞬間、私はもう恋に落ちていた。
私の描くあなたの横顔は、きっと世界で一番美しいラブレターになる。
おわり
あとがき→