私の素敵な旦那様
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そこから、母乳をあげてげっぷをさせ、おんぶしながら洗濯と掃除をする。その後ようやく顔を洗って、着替えをする。子どもの顔も拭き、着替えをさせる。そうしている内に、また授乳の時間がやってくる。お腹がいっぱいで機嫌の良い内にスーパーに買い出しに行く。買うものリストを作って、余分な物は買わない。すぐに帰らないと、いつグズるか分からないから。
買い物を終えて帰る途中、新しいパン屋さんが出来ていることに気が付いた。お洒落な雰囲気で、外から見えるパンも美味しそうな物ばかりだ。でも、片手に買い物袋を持ち、赤ちゃんを抱っこ紐で抱えたボサボサの私が入って良い雰囲気では無い。
それに母乳で育てているため、パンよりお米やお餅を食べる方が良いと助産師さんから言われている。だから、大好きなパンもあまり食べないようにしている。
もし出産していなかったら、実理に話して休みの日にでも一緒に買いに行こうって気軽に言えるのにな…。
〝出産していなかったら〟だなんて……私、何てこと考えてるんだろう。母親失格だ。
暫くその場に立ち尽くしていると、子どもがグズり始めてしまった。ど、どうしよう……オムツかな…。
『ご、ごめんな。すぐ帰るから、もうちょっと待ってな』
そう言っても、お構いなしに子どもは泣き続ける。その声に、私の脳、身体が焦りだす。とにかく早く家に帰らなければ。でも走ったら転ぶかもしれない。
そんな事を考えながら、私は必死に家に向かって歩いた。
家に近付くと向こう側から見慣れた人影が見え、こちらに気付いたのか、大きく手を振っている。
「おーい!名前〜!」
まだ昼間だというのに実理が帰ってきた。何かあったのだろうか。もしかして、体調が悪いとか…?
『実理、どうしたん?しんどいん?』
「しんどそうに見えるか?お?チビ、よう泣いとるなぁ〜。とりあえず家入ろか」
実理は買い物袋を私から取り上げ家に入り、すぐに実理が子どものオムツを替えてくれた。よくオムツだって分かるなぁと感心してしまう。そして、少し遊ぶと子どもはスヤスヤと寝てしまった。
その寝顔を優しい笑顔で見つめる実理は父親の顔になっていた。素直に嬉しいと思った。
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