私の素敵な旦那様
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子育てがこんなに大変だなんて、想像以上だった。
朝ご飯を作って、実理のお弁当を詰める。実理も一緒に早起きしてくれて、その間は子どもを見てくれる。
一緒に朝ご飯を食べて、すぐにお皿を洗う。そして、すぐに実理を送り出す時間になってしまう。
「ほな、行ってくる。何かあったらいつでも連絡しいや」
『ありがとう。行ってらっしゃい』
朝はいつも笑顔で送り出すと決めている。産休前は一緒に通勤してたっけ。ほんの数ヶ月しか経っていないのに、もうずっと昔の事のように感じる。
「名前、忘れモンした」
『え…何?取って来ようか?』
すると、実理は私の腕を引いて抱き締めた。突然のことに頭がついていけない。
「ちょっと痩せたんちゃうか?あんま無理せんでな。しんどかったらちゃんと言いよ」
実理は優しい。昼間は会社で働き疲れてヘトヘトのはずなのに、家に帰って来ると率先して子どもの世話や、家事をしてくれる。こんな出来た旦那様、早々いないだろう。本当に感謝しかなくて、どう恩返しするべきなのか分からない程だ。
『ありがとう。大丈夫やで』
小さくそう言うと、実理がジッと私を見つめる。
あ…キス…かな…。
化粧もしていない、ロクにケアも出来ていないボロボロの肌が恥ずかしくて、自ら身体を離してしまう。
『ほら、早よ行かんと遅れんで?行ってらっしゃい!今日は実理の好きな生姜いっぱいの豚汁するな』
慌ててそう言うと、実理は少し寂しそうに微笑み、私の頭にそっと手を置いた。
「ほな、行ってくる。豚汁楽しみにしとくな」
実理は名残惜しそうに玄関から出て行った。
『ごめんな…』
小さく呟くことしか出来ない自分が情けない。ふと、鏡に映る自分が目に入った。起きたばかりというのもあるが、髪の毛もボサボサで随分疲れているように見える。でも、皆こうやって子育てをしているんだ。私だけじゃない。私がしっかりしなきゃ。そう思い、気合を入れ直す。
そこで、リビングのベビーベッドから呼び出しの泣き声が聞こえてきた。
私の身体はこの声を聞くと、無意識にも反応してしまう。そろそろおっぱいの時間だな…と考えながら動く。母親になるって、物凄い変化だ。
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