冷めたココアも悪くない
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たっぷりと堪能した後、汗が引いて少し寒くなってきた。お互い服を着てピッタリと寄り添って座る。
「可愛い過ぎてビックリしたわ」
『恥ずかしいから言わんといて』
彼女は耳まで真っ赤にしながらマグカップを持ち、さっきのココアを口にした。僕もすっかり冷めたマグカップを持ち、一口飲んだ。
『これじゃあ身体が冷えてまうな。もう一回淹れてくるわ』
「いや、ええよコレで」
『え…でも……』
僕は彼女を後ろから抱き締め、耳元で甘く呟く。
「こうしとけば、ココア無くてもポカポカした気持ちになれるもん」
少し黙った後、彼女は僕の手をそっと握った。
『ホンマや……っ……』
彼女が嬉しくて泣いていると僕はすぐに分かった。
あの時は彼女が全力で僕を連れ出してくれた。だから、今度は僕が言わなきゃ。
「好きやで、名前」
もうあの時の僕はいない。
これからは、僕を見つけてくれた君といたいんだ。
君がくれる物全てが、新しい世界をくれる。
二つのマグカップをピッタリとくっつけた後、僕はまた彼女にキスを落とした。
冷めたココアも悪くない。
そう思った。
おわり
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