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今日私は、彼氏の花形くんと少し遠出をしている。ずっと行きたかった小さなカフェがあり、テスト終わりのご褒美に花形くんが行こうと誘ってくれた。
元々、花形くんも珈琲が好きでよく話すようになり、付き合い始めた。普段の花形くんは穏やかで口数が少ないけれど、珈琲とバスケの事となると子どもみたいに楽しそうに色んな事を教えてくれる。私はそんな花形くんを見ていると、好きな人の好きな事を一緒にするのは凄く幸せなことだと噛み締めている。
今日は二人で美味しい珈琲と、(私だけ)可愛いスイーツを楽しみながら、バスケの話や進路の話なんかをした。美味しくて、楽しくて、時間はあっという間に過ぎてしまった。家から遠く、この季節は暗くなるのも早いため、私たちは早めに駅に向かった。最寄駅は小さな無人駅で、電車もさほど多くは来ない。たまにはゆっくりのんびりするのも良いよね。
駅に着いた私たちは、ホームにあるベンチに座り電車が来るのを待った。
『口コミ通り、美味しかった!付き合ってくれてありがとね』
「本当に美味い珈琲だった。それにしても、よくこんな場所にあるカフェを見つけたな。少し離れただけで、こんなに長閑なんだなぁ」
花形くんの言う通り、市街地から少し離れただけなのに、緑が多くて空もなんだか綺麗に見える。全身リフレッシュできるような、身体に良さそうな何かに包まれている気さえする。
『ここからなら、時間的には通学できちゃうよね。なんか良いなぁ、こういう所に住むの』
「そうだな。何だか穏やかな気持ちになれるな」
ベンチから見える景色は、木々が立ち並ぶ緑一色で、早寝の太陽がこくりこくりと地平線に沈んでいく。空は見事に夕焼け色で、非日常的な、どこか別の世界に来てしまったように思える。
このまま、花形くんと知らない世界に二人だけ…。見ているのは、太陽だけ。そう思うと、何だか花形くんを好きという気持ちがいっぱいになり、キュッと胸が締め付けられた。
花形くんはどう思うのかな…。
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