déjà vu
NAME CHANGE
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高校3年の秋
2人が恋人同士になってから数日後、南は岸本を呼び出していた。
「お前から呼び出すなんて珍しいやん。怖いねんけど」
「…まぁ、確かにあんまり呼ばへんな」
「ハァ…でも南が1人で来とるから安心したわ。引退した途端、彼女出来たとか言うたらど突いたろ思ててん」
ワハハと笑いながらコーラを飲む岸本の背後からパタパタと足音がし、名前が走って2人の方に向かって来る姿が見えた。
南がスッと手を挙げると、岸本は振り返る。
『ご、ごめんっ!一駅乗り過ごしたっ』
突然現れた名前に、岸本の頭上には〝?〟が浮かび上がる。
「え、名字やん。どないしたんや」
「お前、名字の事、知っとんか?」
「いや同じ学年やし、知っとるわ。南と同じクラスやんな?どないしたん?今日は」
『えっ…と……まだ言うてへんの…?』
名前は南の隣りに座り、袖を少し掴んで引っ張りながら言った。その時の少し困ったような、照れたような表情が愛おしくて、南はキュンと胸が鳴るのを感じた。
「まだや。俺らも今座ったとこやし」
南と名前は意識していないが、自然と南の口調は優しく、お互い愛おしそうに見つめ合っている。そんな様子を見て、岸本が気が付かない訳が無い。
「おい…まさか、名字が彼女…?」
岸本の言葉に2人はハッとし、恥ずかしそうに俯く。
「そうやねん。お前には言うとかな思てな」
並んでもじもじする2人を見て、岸本は何だか込み上げてくるものがあり、上手く言葉が出なかった。
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