お母さんのいない夜
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リビングに降りると、静まり返っていた。いつもなら、この時間は名前と並んで座り、ビールを飲んでいる。
(アイツ…毎日こんなんしてんのか……)
冷蔵庫からビールを出し、缶を開けた。プシュッとやけに良い音が部屋に響く。そして、缶に口をつけようとしたその時、玄関を開ける音が小さくした。気のせいかと思うくらい小さな音だったが、南は気付けば缶を置き、玄関に向かっていた。そして、玄関ではドレスアップしてお酒も入っているためか、少し表情の緩んだ名前が靴を脱いでいた。
『あれっ…烈…?どうしたん?お出迎え?』
そう言い切る前に、南は名前を抱き締めていた。
『烈…?』
「ホンマ、お前には頭が上がらん」
その声から、名前は何となく全てを察した。そして南の背中にそっと手を添える。
『お疲れ様。って私、酒クサイやろ?せっかくお風呂に入ったんやから…』
離れようとする名前の腰を引き寄せ、南は再び抱き締める。
「…もうちょっと、このままがええ」
『うん…』
薄暗い玄関では、石鹸のにおいとアルコールのにおいが入り混じり、二人の影も重なっていた。
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