お母さんのいない夜
NAME CHANGE
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『ホンマに大丈夫?』
名前は心配そうに玄関で振り返る。
それは、少し前のある日のことだった。
『おお…ついに結婚すんねや…』
名前は自分に届いた招待状をマジマジと見ていた。高校の同級生が結婚するらしい。
『烈、覚えてる?4組だった、池田ちゃん』
「池田…いや、女子はほとんど覚えとらん」
南はあまり女子と仲良くするタイプでは無かった。むしろ近寄り難い雰囲気だったため、女子はほとんど話しかけはしなかった。
『結婚なんかせんとか言うとったけど、ええ人見つけたんかなぁ。良かったなぁ』
名前は懐かしそうに目を細めた。
「ふーん…ほんで?式はいつなん?」
『んーと…あ…行かれへんわ。夕方始まりやもん』
夕方は忙しい。子どもたちにご飯を作って食べさせ、風呂に入れ、寝かしつけなければならない。昼間ならなんとかなりそうだが、夜の不在はなかなか厳しいものがある。
『烈一人じゃ大変やろ?店もあるし』
「行ったらええやん。たまには羽伸ばしたらええ」
『えっ…で、でも…』
予想外の展開に名前は驚いた。
「お前、最近全然自分の用事で外出てへんやろ。ええやん、たまには。店は早よ閉めればええ」
『ホ、ホンマにええの…?』
「構へん。大丈夫や。アイツらもデカなったんやし」
南がそう言ってくれたのは本当に嬉しかったが、名前の中では果たして大丈夫なのだろうかという心配も無い訳ではない。しかし、せっかく行っても良いと言ってくれたこと、友人の晴れ姿、再会も考えると、やはり行きたいと思った。
『ほな、行かせて貰うわ。なるべく負担かけんようにして行くから』
「おう。心配せんでも大丈夫や」
そう言って、南の大きな手が名前の頭にポンと乗せられた。付き合っている時から、南はよくコレをしてきた。今まで何度されたかは分からないが、その度に胸がキュンと締め付けられている。
『烈、ありがと』
「ん」
南はフッと微笑み、頭に乗せた手をそっと降ろした。
.
1/7ページ
