また、同じ
NAME CHANGE
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
本屋に行き、二人はそのままブラブラと買い物を楽しんだ。歩いていると、新しくたい焼き屋が出来ていることに気が付いた。
『わ〜、良いニオイする〜』
「せっかくだし、買ってみる?」
『うん!買おう』
メニューを見ると、あんこ、カスタード、チョコレート、チーズ、ハムマヨネーズ…と色々な味があった。
「名前ちゃん、決めた?」
『うん!ヤスくんは?』
「俺も決めた」
『また一緒かもしれないね』
「じゃあ、せーので言ってみる?せーの…」
『「あんこ&カスタード下さい」』
言い終えた後、やっぱり!と二人は笑い合った。
「お客さんたち、仲良いんですね〜。はい、あんこ&カスタードです」
店員はニコニコと嬉しそうに、たい焼きを渡してくれた。少し照れくさかったが、二人も嬉しかった。
すっかり夕方になり、暗くなる前に帰ろうと二人は帰り道を歩いていた。そして、安田の家と名前の家の方向に分かれる交差点までたどり着いた所で足が止まった。
『ヤスくん、今日はホントに楽しかった。明日からまた部活頑張れるよ。ありがとね』
「俺も楽しかった。また時間見つけて出かけようね」
『あのたい焼き屋さん、また行きたいな。次は違う味も食べてみたいな』
「美味しかったよね。次も同じの選んだりして」
『ふふっ…きっと同じの選んじゃうと思うよ』
久しぶりに一緒に過ごせた二人の会話は尽きなかった。
『あ、信号、変わっちゃったよ?』
「あ……次、青になったら渡るよ」
『そっか。あ、バスケ部さ、また全国行けると良いよね』
「もちろん!そのつもりで頑張ってるよ」
少し話すと、また歩行者信号が点滅する。その度に二人は、顔を見合わせて笑い合う。
『ねぇ、ヤスくん。信号何回変わったかな』
「ハハハ…そうだね。次!次こそは!これで、最後にする!」
今度は何も言わず、信号が変わるのをジッと待った。人が行き交い、外灯や車のライトがぼんやりと光を放つ。そして、次に青になろうとした時、安田は名前の手を取り、ギュッと握った。
『ヤスくん……?』
「……今、繋いだばっかだから次変わるまでこのままにしてても良い?」
名前は安田の手をギュッと握り返した。
『良いよ。ヤスくんのそういうトコ、好き』
「また同じだ。俺も名前ちゃんが好きって言おうとしたんだ」
きっとこれからも、二人は同じ選択をしていくだろう。
お互い顔が赤いのは、たぶん赤信号のせいでは無い。
おわり
あとがき→