今晩、いかがですか?
NAME CHANGE
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
我が家の朝は忙しい
『お兄ちゃん、そろそろ起きや!遅刻するで!』
「うぅー…」
長男は朝に弱い。小学校に行き出してからは、幼稚園の時より少し早めに起きなければならないため、叩き起こすのが私の朝一番の大仕事だ。
『今日、お友だちと待ち合わせて行く言うてたやろ?早よせな』
「そうやった…起きる…」
やっとの思いで長男を起こし、1階に降りる。今度は食いしん坊の次男が食卓に着き、ご飯を催促している。
「お母さん、お腹空いたぁ」
『待ってな。全員揃ってからやで』
「お父ちゃんはぁ?」
『今、来るやろ』
烈は毎朝、長女と一緒に起きて来る。お父ちゃん大好きな次男はこれがあまり気に入らないらしい。
「ごはん!!」
「その前に、ちゃんと挨拶せえ」
「おはよーございますっ!」
『おはよう』
こうしている内に全員が揃い、ようやく朝ご飯を食べ始める。そして色々と作った割にはあっという間に食べ終えてしまう。そして長男が先に家を出て、お皿を洗ってから次男を幼稚園に送って行く。その間、長女は烈が見ながら店を開ける準備をする。これが我が家のモーニングルーティーンだ。
この中で烈が今晩のお誘いをする場面がある。それは、お皿を洗っている時だ。
私がキッチンに立ち、洗い物をする。その間、次男と長女はこども向け番組に釘付けだ。烈はコーヒーのおかわりを注ぐため、キッチンにやって来る。そして割と私の近くに立ち、マグカップを中が見えるような位置に置き、半分以下の量を注いで一度止める。
『…もっと入れたら?』
「おー」
これが私たちのサインだ。コーヒーをマグカップの半分以下に注ぐのが烈からのお誘い、そしてもっと注ぐように言うのが私のOKのサインだ。特に事前に打ち合わせをした訳でもなく、自然とこれが私たちの合図になっていた。あまり表情に出さないようにするのが何気に難しい。
.