ずっと前から決まっていた物語
NAME CHANGE
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暫く黙っていると、名前がハァ〜っと大きな溜息をついた。
『なーにしとるんやろ、私…』
「どないしたん?」
『今日なぁ、烈に会いたくて来てん』
その言葉に南は驚いた。自身もずっと名前に連絡を取りたいと思っていたため、素直に嬉しかった。
「何で、俺に…?」
『…烈の腕の中が忘れられへん』
そう言った名前は、今にも泣き出しそうな目で南を見つめた。車内の微かな光でさえも、その目の輝きを助長する。
『小さい時から知っとって、しかも10個も若くて、まだ高校生で……分かっとるんやけど……会いたかってん…』
最後の方は声が擦れていたが、それでも名前は涙を溢さなかった。こんな風に誰かに心から求められたことなどあっただろうか。そう思うと南の腕は自然と名前を抱き寄せていた。
「…ホンマは俺もずっと連絡したかった。でも家族がおるし、数ヶ月も経つから上手くやってんねやって思っとってん」
『…全然上手くなんかやってへん。もう無理や。あの人が私と別れへんのは、世間体だけや』
「そんなん…監禁されとんのと一緒やん」
『そうやね。ほんでも監獄から抜け出してでも、烈に会いたかった…』
南は名前の頭を撫で、滑らせるようにその手で頬に触れた。そしてそっと唇を重ねると、二人の欲はもう抑えられなかった。南の舌が名前の舌に絡む。先端に触れると肩がピクリと上がるのが分かった。何度も角度を変え、声にならない声と、ピチャピチャと唾液が行き交う音が車内に響く。
『…ハァ…場所、変えよか。私、今日ホテル取ってんねん』
南は黙ってコクリと頷いた。駐車料金が結構な額であったことから、相当な時間、ここで南を待っていたことが分かった。その覚悟と想いに、南の身体の熱は冷めなかった。
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