03:ノーシューズ
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今日は水曜日
世はノー残業デーとも呼んでいるし、俺の会社でもそれを推奨していたはずだ。なのに俺が会社を出たのは19時半過ぎ……それはあくまで推奨な訳で、命令ではない。別にブラックな訳ではないが、ノー残業の奴なんてほとんどいない。ほな推奨すんなや…と毎週ツッコミたくなる。
腹も減ったし何か食べて帰るか、それも面倒だからコンビニで済ますか……名字さんの作ったサンドイッチ、美味かったな…あー!もう余計に腹が減る!!そんなことを考えながら電車を乗り継ぎ、家の最寄駅に着いた。
改札を出る時、足が痛いのか少し引きずるようにして歩いている女の人がいた。何となく背格好が名字さんに似ている気がするが、服装の感じが違う。あのサンドイッチが頭から離れないせいか、名字さんもセットで離れなくなっているのだろうか…。そう思いながら追い抜く時にチラリと横目で見ると、やっぱり名字さんだと気が付いた。
「あれっ…名字さん…?」
俺が声を掛けると、名字さんは今にも泣きそうな顔でこっちを見上げた。
『岸本さん……今帰り…?お疲れ様』
「それより、どないしたん?足、痛いんか?」
そう言うと名字さんは立ち止まり、フルフルと首を横に振った。
『……足じゃないの』
その表情と声のトーンから、また彼氏と何かあったんだとすぐに察した。俺たちはそのまま歩いて何とか先日ピクニックをした公園まで辿り着き、同じベンチに座った。
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