03:ノーシューズ
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そして水曜日、19時
メイクもいつもより気合いを入れ、私は映画館の前に立っていた。普段こんなに高いヒールを履かないものだから、既に足の裏と踵が痛い。それでも彼に少しでも綺麗だと思われたい、その気持ちが痛みなんて跳ね除けてくれるような気がする。
そして15分、30分…と時間は過ぎていき、20時手前になっても彼は来なかった。流石に連絡をすると、返ってきた返信はコレだった。
〝ゴメン、まだ会社。何時に終わるか分かんない〟
それならどうして、19時の時点で連絡をくれなかったのだろう。私が連絡をしなかったら、どうするつもりだったのだろう。私が日付が変わっても待っているかもしれないのに…。
そう思うと、誘いを受けてくれた時の喜びや、夜中まで悩んで選んだ服も全部急に意味を為さなくなってしまった。
虚無感が私を襲う。
感じるのは、痛みだけだった。
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