02:ネイビーのフラットシューズ
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公園に行くと岸本さんが既に来ていた。オーバーサイズのパーカーに細身のパンツを着ていた。足首が見える丈で、カラフルなスニーカーがお洒落だ。
『お待たせしました』
「いや、全然。それより、昨日とだいぶ印象ちゃいますね。清楚な感じもええけど、今日のカジュアルな感じもよう似合うてますね」
こんな風に服装を褒められたのは随分久しぶりだった。やっぱり岸本さん自身がお洒落だから、気が付くのだろうか。素直に嬉しかったし、何だか自信が持てた気がした。
『ありがとうございます。岸本さんは昨日も今日も凄くお洒落で素敵です』
「よう見てますね。嬉しいなぁ」
『あの…これなんですけど、たくさんあるのでこんなので良ければいっぱい食べて下さいね』
ランチボックスを開けると、岸本さんは「おおっ」と一声漏らし、嬉しそうに眺めていた。
「えっ…これ朝から作ったんですか…?ようやるわぁ…彼氏さん勿体無いなぁ。ほな遠慮なく、いただきます」
『はい、どうぞ!私も食べよ。お腹空いたぁ』
「んっ…!何やコレ…めちゃくちゃ美味い…!」
岸本さんは本当に美味しそうにサンドイッチを頬張っていた。パクパクと口に運び、モグモグと味わって食べている。こんな風に食べてくれたら、作りがいがあるなぁ。
それから私たちは、色々な話をした。私の方が1つ年上であること、岸本さんは実家がすぐ近いこと、仕事のこと…話が面白くて、私はずっと笑っていた気がする。
『あー、おかしい。久しぶりにこんなに笑った気がする』
「せっかく仲良うなれたし、敬語やなくて普通に喋りませんか?堅苦しいのん苦手なんで」
『良いですね!是非!』
岸本さんはまたニッと笑い、美味しそうにコーヒーを飲んでいた。
私はこの朝ピクニックの間、岸本さんの仕草を見て所々で〝彼氏もこうだったらなぁ〟と何度か考えていた。こんなに素敵な人が目の前にいても彼氏のことを考えてしまうということは、やっぱり彼氏が好きなんだと改めて認識した。こんな風に別の見方ができたのも、岸本さんが隣りに引っ越して来てくれたおかげだ。
これからも時々、お話出来たら良いな。
もっともっと、頑張ってみよう。
そう思えた、日曜日の素敵な朝だった。
続く