14:自分の為のハイヒール
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するとそこに、岸本さんがホカホカのたこ焼きを持って現れた。
「おらー!出来たで〜!どうや!!」
ドンッと置かれた山盛りのたこ焼きの中に、明らかに一つ黒くてもじゃもじゃしたものがあった。
「南、お前コレ食えや」
「げ…何やねんコレ…お、お前まさか自分の髪の毛を…?」
「……ええから…!」
「絶対、嫌じゃ!」
岸本さんがもじゃもじゃのたこ焼きを南さんのお皿に乗せ、南さんがそれを元の大皿に戻す、を繰り返していた。番長さんはアハハと笑いながらビールを飲んでいた。
よし…私も一歩踏み出さなきゃ…!
『私っ…食べるっ!!』
私は岸本さんが箸で掴んだもじゃもじゃのたこ焼きに、パクッと食い付いた。全員の驚いた視線が私に降り注がれる。
『……甘ぁ〜』
「そらそうや。麩菓子やもん!」
『あぁ、麩菓子か…ちょっと甘過ぎだよぉ…』
「ほれほれ、ビール飲みや」
岸本さんは私にグラスを渡し、自分の分も持っていた。そして二人で乾杯し、喉を潤す。
私は気付かなかったけれど、後で番長さんに聞いた。この時、南さんが「やっぱ、お似合いやわ」と言っていたことを。
本当に、そうなると良いな。
今夜のヒールの痛みは、むしろ心地良いくらいだった。
続く
おまけ→