05:チャコールグレーのスリッパ
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リビングに戻ると、名字さんがソファの端にちょこんと座っていた。
「もうすぐ来るみたいやから、ゆっくりしとってな」
『うん…ありがとう』
それだけ言うと急な沈黙が始まった。テレビの音だけがぼんやりと部屋に響く。ちょうど映画をやっていて、目を向けると今まさに絡み合う2人がベッドに倒れ込むシーンだった。今度はいやらしい息づかいが俺の部屋に響く。
名字さんはテレビから目を逸らし、少し恥ずかしそうに俯いている。綺麗な色の服を着て、唇も艶々していて、疲れたようなその表情に俺の雄の部分がザワザワと騒ぎ出す。前から可愛らしいとは思っていたけれど、今日はいつもに増して魅力的に見えてしまう。
ドギマギしていると、名字さんがスッと立ち上がり、俺の前に立った。小柄な名字さんが190cm近くある俺を見るのだから、当然見上げる形になる。その表情もまた可愛らしい…。
『あの…岸本さん…』
「な、何や?」
『私、ビーフシチュー作ったんです。せっかくなのでパーティーで食べませんか?』
「あっ…そ、そうやな!せっかくやし!」
『ふふっ…じゃあ、持って来ますね』
ようやく名字さんの笑顔が見られたから良かったけれど、俺は下心をちゃんと隠せていたのだろうか。勝手に舞い上がって、勝手に疲れてしまった。
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