Run & Bullish
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「それでは、お家の方に参加して頂く競技を行います!今この場で抽選しますので、呼ばれた方は本部までお越し下さい」
これは毎年行う競技で、その場で抽選することで不正が無いことを示しているらしい。と言うか、本当にちゃんと抽選をしているのかというクレームが入ったことから、こうしてその場で行なっているというのが本当の所だ。ちなみに、南家は長男の時から一度も当たった事が無い。まぁ、当たらないだろうと思っていたその時…
「南……くんのお家の方!」
またしても一気に視線が刺さる。
「おとうちゃん、おへんじ!」
ここで笑いも起こる。南は長女の頭にポンと手を置き、小さく「おう」と返事をして、本部の方に向かう。
『烈、ええの?』
「俺が出た方がアイツ、喜ぶやろ」
南は表情を変えなかったが、何となく嬉しそうだと名前は感じた。
競技はシンプルに一人一周するリレーだった。年長、年中、年少の3チームで行う。父親だけでなく、母親や祖父母、兄弟が様々に参加している。年中チームは今のところ2位だ。今走っているのは、春に例の言葉を言った母親だった。懸命に走っているが、半分を過ぎた所で抜かれてしまう。そして、その人からバトンが渡ったのが南だった。身長が高く手足が長いため、遠くからでもよく分かる。何せ豊玉バスケ部は攻め中心で、とにかく走るとは聞いていたが、その速さに名前は驚いた。
(か…かっこええ……)
あっという間に年中チームはトップになり、次の人にバトンが渡った。最終結果は2位だったが、南への賞賛の眼差しは運動会が終わるまで続いた。
「久々に走ると、しんど…」
「おとうちゃん、凄いっ!めっっっちゃかっこええっ…!」
長男が珍しく興奮し、南にすり寄っていった。南は長男の顔の高さに合わせ、フッと微笑んだ。
「お前も努力すればできる。何でもええから、夢中になれるモン見つけてみぃ」
ちゃんと親子だなぁ…と名前はしみじみ思った。南が自分で見つけた〝夢中になれるモン〟は、彼の人生において欠かす事のできない大切な宝物だ。そしてその宝物があったからこそ、目の前の光景を見ることができている、ということに胸が熱くなった。
名前は周りに何か言われるから、とかそんな事を気にしていた自分が急に恥ずかしくなった。
こんな素敵な旦那様なのだから、幸せなのは当然のことだ。
『烈、かっこよかったで』
「ハハ…惚れ直したやろ?」
名前は南の額に薄っすらと浮かぶ汗を、そっとタオルで拭いた。そして少し顔を赤らめ、黙ってコクリと頷いた。その反応に南も少し照れてしまう。
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