ピアス、口紅、眼差し
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健司と初めてビールを飲んだ日に約束した通り、今日私たちはデートをすることになっている。
…と言っても、呼び出されたのは実家の最寄り駅だった。何でデートなのに…?と思ったけれど、あの夜言っていた〝私に追い付きたい〟という気持ちから来るものなんだと思うと、可愛いじゃん、なんて思ってしまうのだった。
デートということならば、それなりにお洒落な服装で行きたい。あまり普段は身に付けないようなピアスをつけてみる。少しの光でも拾い集めてキラキラと輝くそれは、まるで健司のようだった。努力を惜しまず、でも決して苦労は表に出さず、自らチャンスを掴み取り、輝く術を知っている。
(もう充分素敵で、魅力的じゃないの…)
そう思うと少し寂しい気がしたけれど、いつまでも〝近所の健司クン〟のままではないんだと、あの夜から思うようになった。
私は、持っている中で一番鮮やかな赤い口紅を塗った。それが私の誠意だ。
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