08:全力疾走
NAME CHANGE
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
特進科は少しピリピリしていた。
期末試験が迫っているのに加え、それが終わると夏の全国模試があるからだ。
あの夜の出来事があってから、私はより一層勉強に身を入れることができている。
あの時、南くんはインターハイで勝つことを優先すると言っていた。
広い視野で物事を見ている彼は偉いし、尊敬できる。
そして何より、南くんがそのままの私を受け止めると言ってくれたことが、凄く心の支えになっているのだ。
ここで気を抜いて成績が落ちたら、南くんを失望させてしまう。だから、私が今やるべきことは期末試験と夏の模試に向けた準備なのだ。
昼休み
更衣室にポーチを忘れたことに気付いた。慌てて取りに行き、更衣室のドアに手をかけると中から声がした。誰かいるようだ。
昼休みは誰も入ってこないため、溜まり場にしているのだろう。仕方がない、放課後また取りに来よう。その場を去ろうとした時、中から声が聞こえた。
「あ~、今日も南くんホンマかっこええわぁ」
(あ、この声…お人形みたいな、あの子や)
私はその場に立ち留まった。
「早よ、インターハイ終わらへんかなぁ。どうせなら1回で負ければ良いのに~。そしたら一日でも早く、南くんに告れるやんかぁ」
この言葉を聞いた瞬間、私は更衣室のドアを思い切り開けていた。
「あれ?ポニーテールの人やん。なんや南くんの話しとると、いつも現れるなぁ。怖~」
『…1回で負ければ良いとか、平気で言わんで欲しい…』
「は?」
『アンタなんか、南くんを好きでいる資格ない!』
大声で叫び、その場から走り去った。
とにかく夢中で走った。
悔しくて涙が出た。
息が切れる。
苦しい。
悔しい。
.
期末試験が迫っているのに加え、それが終わると夏の全国模試があるからだ。
あの夜の出来事があってから、私はより一層勉強に身を入れることができている。
あの時、南くんはインターハイで勝つことを優先すると言っていた。
広い視野で物事を見ている彼は偉いし、尊敬できる。
そして何より、南くんがそのままの私を受け止めると言ってくれたことが、凄く心の支えになっているのだ。
ここで気を抜いて成績が落ちたら、南くんを失望させてしまう。だから、私が今やるべきことは期末試験と夏の模試に向けた準備なのだ。
昼休み
更衣室にポーチを忘れたことに気付いた。慌てて取りに行き、更衣室のドアに手をかけると中から声がした。誰かいるようだ。
昼休みは誰も入ってこないため、溜まり場にしているのだろう。仕方がない、放課後また取りに来よう。その場を去ろうとした時、中から声が聞こえた。
「あ~、今日も南くんホンマかっこええわぁ」
(あ、この声…お人形みたいな、あの子や)
私はその場に立ち留まった。
「早よ、インターハイ終わらへんかなぁ。どうせなら1回で負ければ良いのに~。そしたら一日でも早く、南くんに告れるやんかぁ」
この言葉を聞いた瞬間、私は更衣室のドアを思い切り開けていた。
「あれ?ポニーテールの人やん。なんや南くんの話しとると、いつも現れるなぁ。怖~」
『…1回で負ければ良いとか、平気で言わんで欲しい…』
「は?」
『アンタなんか、南くんを好きでいる資格ない!』
大声で叫び、その場から走り去った。
とにかく夢中で走った。
悔しくて涙が出た。
息が切れる。
苦しい。
悔しい。
.