GWが終わり、中間テストを終えた。

この結果はもちろん、次の理事長との面談で話す内容になる。いつもとは少し違った気持ちで臨んだ試験だったが、特にプレッシャーは無かった。

1週間もすれば、結果が出てくる。

これも豊玉高校のおかしな所で、試験順位を貼り出す掲示板は科ごとに分かれてはいるが、何故か同じ場所に横並びに設置してある。


校舎は分けてるくせに…。



ある日、掲示板に生徒が群がっているのを見て、結果が出たんだなと思った。今、特進科は人がまばらなため、見て行こうと掲示板に近付く。

すると、そこにいた同じクラスの井矢見がクルリと振り返り、私を見つけるなりこう言った。


「名字さんは結果見んでも、もう分かっとるやろ？イヤミっぽいなぁ」




あぁ、またか。


結果を見ると〝1位：名字 名前〟と書かれていた。


私は特進科の中でも少し浮いた存在だった。理系の中でも物理選択クラスであり、クラス40人中、女子は私と花子の二人だけだったから。そもそも理系に女子は少ないが、ほとんどは生物選択なのだ。

だから〝女のくせに〟という言い文句がついて回った。


「なぁ、いつまで見てるん？また1位やって余韻に浸っとるんか？」


井矢見は自分が1位を取れないからか、こうしてよく私に突っ掛かってきていた。ちなみに別に井矢見がいつも2位という訳ではないから、尚更意味不明なのだ。そして自分が常に人より上だという目線でいる。


こんな奴に言い返しても何の意味も無いし、いつものことだから無視しよう、そう思った時、後ろから声がした。








.