Another Story:ホクホク甘い
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名前が大阪に帰ってきてから数ヶ月が経ち、南家での生活もようやく落ち着き始めた。
南は会社員として働いている。ゆくゆくは南龍生堂を継ぐが、まずは社会に揉まれてこいという南の父の考えからくるものだった。
そんな訳で南の休日は土日である一方、南龍生堂は平日が定休日である。名前は受験勉強をしながら南龍生堂の手伝いをしているため、土日とも確実に休みという訳では無かった。二人は若く、しかも数年間心を通わせながら離れ離れに過ごした時もあるため、せめて土日のどちらか一日だけでも休みを同じくしたいと思っていた。しかし、南家の両親にはお世話になっている手前、なかなか言い出せずにいた。
ある日曜日、南龍生堂には参考書を読みながら店番をする名前と、その横で漫画を読む南の姿があった。お互い何も言わないが、その沈黙さえも二人で感じられることが嬉しかった。
すると、店のドアが開いた。
「こ、こんにちは」
『いらっしゃいませ』
「何や、板倉やんけ。どないしたん?腹痛か?」
「いや…その…」
板倉は名前と目が合うともじもじし出した。それに気が付いた南は若干イラついてしまう。
「早よ用件言えや」
「は、はい!あの……焼き芋しませんか?」
「は?」
予想外の提案に南はズッコケそうになる。聞けば、板倉の家に大量のさつま芋が送られてきたのと、庭の落ち葉をどうにかしろと親に言われたことで、焼き芋をしようと思ったらしい。しかし板倉の次の言葉を聞いて、南はまたズッコケそうになる。
「せっかく、番長さんも帰ってきたことですし…」
これがメインか…と南は思った。板倉は高校生の時、名前のことが好きだった。帰って来たと聞き、何か誘うキッカケが欲しかったのだろう。
「板倉、お前ええ根性しとるやんけ」
「はい?」
『いつやるんですか?』
「あ…今度の日曜はどうですか?昼過ぎにでも」
日曜日は南は休みだが、名前は店番がある。自分だけ行く訳にもいかず、南が断ろうとしたその時……
「行ったらええやん」
背後から声がし3人が振り向くと、そこには南の父が立っていた。
「たまには出掛けたらええやん。休みが被らんでどこにも行かれへんやろ?名前ちゃん、来週の日曜日の午後は休んでええで」
『ホ、ホンマですか?!ありがとうございます!』
名前はペコリと頭を下げた後、ニッコリと微笑みながら南の方を見た。それを見た南も目を細める。
「ほな、遠慮無く行かして貰うわ」
「分かりました。来週お待ちしてます」
少しトゲのある雰囲気で南は板倉に言ったが、あまり効いていないようだった。
まぁ、何にせよ久しぶりに二人で出かけられることが嬉しくて、楽しみだった。
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南は会社員として働いている。ゆくゆくは南龍生堂を継ぐが、まずは社会に揉まれてこいという南の父の考えからくるものだった。
そんな訳で南の休日は土日である一方、南龍生堂は平日が定休日である。名前は受験勉強をしながら南龍生堂の手伝いをしているため、土日とも確実に休みという訳では無かった。二人は若く、しかも数年間心を通わせながら離れ離れに過ごした時もあるため、せめて土日のどちらか一日だけでも休みを同じくしたいと思っていた。しかし、南家の両親にはお世話になっている手前、なかなか言い出せずにいた。
ある日曜日、南龍生堂には参考書を読みながら店番をする名前と、その横で漫画を読む南の姿があった。お互い何も言わないが、その沈黙さえも二人で感じられることが嬉しかった。
すると、店のドアが開いた。
「こ、こんにちは」
『いらっしゃいませ』
「何や、板倉やんけ。どないしたん?腹痛か?」
「いや…その…」
板倉は名前と目が合うともじもじし出した。それに気が付いた南は若干イラついてしまう。
「早よ用件言えや」
「は、はい!あの……焼き芋しませんか?」
「は?」
予想外の提案に南はズッコケそうになる。聞けば、板倉の家に大量のさつま芋が送られてきたのと、庭の落ち葉をどうにかしろと親に言われたことで、焼き芋をしようと思ったらしい。しかし板倉の次の言葉を聞いて、南はまたズッコケそうになる。
「せっかく、番長さんも帰ってきたことですし…」
これがメインか…と南は思った。板倉は高校生の時、名前のことが好きだった。帰って来たと聞き、何か誘うキッカケが欲しかったのだろう。
「板倉、お前ええ根性しとるやんけ」
「はい?」
『いつやるんですか?』
「あ…今度の日曜はどうですか?昼過ぎにでも」
日曜日は南は休みだが、名前は店番がある。自分だけ行く訳にもいかず、南が断ろうとしたその時……
「行ったらええやん」
背後から声がし3人が振り向くと、そこには南の父が立っていた。
「たまには出掛けたらええやん。休みが被らんでどこにも行かれへんやろ?名前ちゃん、来週の日曜日の午後は休んでええで」
『ホ、ホンマですか?!ありがとうございます!』
名前はペコリと頭を下げた後、ニッコリと微笑みながら南の方を見た。それを見た南も目を細める。
「ほな、遠慮無く行かして貰うわ」
「分かりました。来週お待ちしてます」
少しトゲのある雰囲気で南は板倉に言ったが、あまり効いていないようだった。
まぁ、何にせよ久しぶりに二人で出かけられることが嬉しくて、楽しみだった。
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