24:今日がその日
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名字さんがいなくなった後、すぐに携帯に連絡を入れたが繋がらなかった。
俺はしばらく何もする気になれなかった。
何度も手紙を読み返し、彼女の強さを憎んだ。
しかしその強さは優しさであり、信じられるのは自分しかいないと思えるようになった。だから手紙に書いてある通り、俺は大学に進学した。
あれから月日は流れ、気付けば大学3年生の春を迎えていた。
今日から他校との合同合宿で、遠征に行く。昼前に大学集合のため、朝食をゆっくり食べていた。
「ところで、遠征ってどこに行くんやった?」
「当日の朝に聞くなや。仙台や仙台!」
仙台は宮城県…名字さんが観に来た国体は宮城チームとの試合やったな、そう思っているとオトンが話し始めた。
「そういえば…名字の嫁さん、確か仙台出身やったな…」
そして徐に立ち上がり、引き出しから何かを取り出した。テーブルに置かれたのは、名字さんのお父さんがオトンに宛てた手紙だった。
内容は、再会できて良かったこと、心配をかけて申し訳ないということ、そして、娘を頼むということが書かれていた。ニュースになる前に書いて送ったのだろう。
「いつか見せるつもりやったが…もしかしたら、今日がその日かもしれんと思ってな」
オトンの言葉に、オカンは目に涙を浮かべていた。
皆の気持ちをしっかりと背負い、きっと何かがあるはずやと信じて俺は遠征に向かった。
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俺はしばらく何もする気になれなかった。
何度も手紙を読み返し、彼女の強さを憎んだ。
しかしその強さは優しさであり、信じられるのは自分しかいないと思えるようになった。だから手紙に書いてある通り、俺は大学に進学した。
あれから月日は流れ、気付けば大学3年生の春を迎えていた。
今日から他校との合同合宿で、遠征に行く。昼前に大学集合のため、朝食をゆっくり食べていた。
「ところで、遠征ってどこに行くんやった?」
「当日の朝に聞くなや。仙台や仙台!」
仙台は宮城県…名字さんが観に来た国体は宮城チームとの試合やったな、そう思っているとオトンが話し始めた。
「そういえば…名字の嫁さん、確か仙台出身やったな…」
そして徐に立ち上がり、引き出しから何かを取り出した。テーブルに置かれたのは、名字さんのお父さんがオトンに宛てた手紙だった。
内容は、再会できて良かったこと、心配をかけて申し訳ないということ、そして、娘を頼むということが書かれていた。ニュースになる前に書いて送ったのだろう。
「いつか見せるつもりやったが…もしかしたら、今日がその日かもしれんと思ってな」
オトンの言葉に、オカンは目に涙を浮かべていた。
皆の気持ちをしっかりと背負い、きっと何かがあるはずやと信じて俺は遠征に向かった。
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