04:Porte
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あれから数ヶ月が経った。
烈とは夫に隠れて会っている。
万が一、近所の誰かに出掛ける様子を見られても良いように、習い事を始めたと言ってある。
夫は私の頼みならば基本的に何でも承諾してくれる。それは会社の重役である父の機嫌を損ねない為だ。
結局、父も夫も自分たちの地位や世間体の為だけに生きている。私はそれらに華を添えるお飾りに過ぎないのだ。
烈に会う度、前よりもっと烈を好きになる。
長い腕に抱き締められているだけで、全てが満たされていく。
時計の針はもうすぐ16時を指そうとしていた。そろそろ帰らなければと思うと、烈の腕の中から出たくなくなる。
「時間、大丈夫なんか?」
『…もう少しだけ』
頭の上から聞こえてくる囁くような声が好き。この心地良い場所でいっそこのまま眠ってしまいたい。
何度もそう思った。
それでも私は服を着て、また夫が買ったマンションへと帰っていく。
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