03:Joie
NAME CHANGE
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烈から全てを聞き、色んな感情が込み上げてきて涙が止まらなかった。
父が横暴な所がある事は分かっていたし、夫が本当に私を愛していない事も分かった上での結婚だった。生活するには何不自由無くて、お互いの両親も機嫌良くいてくれる。
烈を好きな気持ちは、私の心の中に大切にしまっておけば良い。
それで何もかも上手く行くと思っていた。
いや、〝思っておけば良い事にしていた〟が正しいかもしれない。
でも目の前に烈が現れてしまった以上、もう今までの私ではいられない。
初めて抱き締められるのがこんな形になるだなんて、あの頃の私には想像も出来なかった。けれど、こうしているだけで全てどうでも良くなっていく。
『烈の匂い、久しぶり…。変わらんね…』
「歳は取ったけどな」
『そんなん、お互い様やん』
「…名前は綺麗になったな」
耳元で囁かれ、顔を上げるとそこにはずっと待ち焦がれた人の顔。目を閉じない訳が無くて、合図も無しに唇が触れ合う。一度離れ、お互い見つめ合った後、今度は今までの時間を埋めるように口内を貪り合った。
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