陵南ver.
Days of the Week(陵南ver.)
金
「おい、コレ誰のだ?」
越野が声を掛け、全員がそっちを見る。子どもに大人気のキャラクターのポーチのような物が掲げられている。振るとジャラジャラと音がするため、どうやら小銭入れのようだ。
「何だよ、ソレ。随分可愛らしいなぁ」
「仙道のじゃねーの?」
「いや、俺のじゃないよ」
あとは福田…と思い、見ると首を横にフルフルと振っている。
「でもコレ金が入ってるし、届けなきゃいけないよなぁ。部室にあったんだし、とりあえず監督に言おうぜ」
越野が部室を出ようとした時、ちょうど田岡監督がやってきた。
「スマン、ちょっと忘れ物…あっ!それだ!!」
田岡監督は越野が持つキャラクターのポーチを指さした。
「ええっ…コレ、監督のなんスか…?」
「あ、あぁ。大事な物なんだ。ありがとうな」
田岡監督は気まずそうに部室を後にした。
「監督、あんなシュミあったのかよ」
「めちゃくちゃ焦ってたよな」
「まぁ、良いじゃねーか。先生にだって人に言えないことくらいあるだろう」
魚住がまとめ、このことは心の奥にそっとしまっておくことにした。
後に知ることになるが、あれは娘が小さい時にプレゼントしてくれた物で、大事に使っているというのが本当のところである。
おわり
金
「おい、コレ誰のだ?」
越野が声を掛け、全員がそっちを見る。子どもに大人気のキャラクターのポーチのような物が掲げられている。振るとジャラジャラと音がするため、どうやら小銭入れのようだ。
「何だよ、ソレ。随分可愛らしいなぁ」
「仙道のじゃねーの?」
「いや、俺のじゃないよ」
あとは福田…と思い、見ると首を横にフルフルと振っている。
「でもコレ金が入ってるし、届けなきゃいけないよなぁ。部室にあったんだし、とりあえず監督に言おうぜ」
越野が部室を出ようとした時、ちょうど田岡監督がやってきた。
「スマン、ちょっと忘れ物…あっ!それだ!!」
田岡監督は越野が持つキャラクターのポーチを指さした。
「ええっ…コレ、監督のなんスか…?」
「あ、あぁ。大事な物なんだ。ありがとうな」
田岡監督は気まずそうに部室を後にした。
「監督、あんなシュミあったのかよ」
「めちゃくちゃ焦ってたよな」
「まぁ、良いじゃねーか。先生にだって人に言えないことくらいあるだろう」
魚住がまとめ、このことは心の奥にそっとしまっておくことにした。
後に知ることになるが、あれは娘が小さい時にプレゼントしてくれた物で、大事に使っているというのが本当のところである。
おわり