翔陽ver.

Days of the Week(翔陽ver.)






「なぁ!必勝祈願しに行こうぜ!!」


藤真が目をキラキラさせながら言った。


「何でまた急に…?」

「プロ野球チームとかやってんだろ。あれ思い出したらやりたくなった」

「ど、どこにやりに行くんスか?」

「え、近くの神社とかで良いだろ」

「そこはテキトーなのかよ」


藤真、永野、高野、伊藤が盛り上がっている。


「でも、いきなり皆で行ったら迷惑じゃないか?」


長谷川の一言で、それもそうか、と少し考え直す。


「校内に大きな木があっただろう?あれに願掛けするのはどうだ?」


花形が言う大きな木というのは、神社にありそうな物凄く大きな木で、何となくありがたいような、学校のシンボルのような扱いをされているものだった。


「確かにあの木はいつも俺らを見守ってくれてるもんな。よし、全員制服に着替えて木の前に集合だ!」

「あの…藤真さん…」

「何だ?伊藤」

「お供えとか、いらないんですかね?」 

「そうか……よし!花形!お前の眼鏡、捧げろ!」

「えっ…いや…生憎、今日はコンタクトを持って来てないんだ…」

「持って来てたら良かったのかよ」


全く話がまとまらず、結局その日は必勝祈願できずに終わった。


「ところでさ、あの木って何の木なんだ?」

「…気になる木?」




頑張れ、翔陽!

目指せ、冬の選抜!


おわり
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