桜木軍団ver.

Days of the Week(桜木軍団ver.)






「プールのタダ券貰った!行こうゼ!」


大楠がチケットをヒラヒラと見せつける。


「おっ!良いじゃねーか!行こうゼ!」

「水着ギャルが拝めるなぁ〜」


野間、高宮がチケットに釣られるように大楠に着いて行く。


「洋平!何してんだよ!置いてくぞぉ」


遠くから手を振る3人を見て、水戸はフゥと溜息を漏らす。


「…ったく、しょーがねぇなぁ」




プールに到着すると、衝撃の看板が4人の目に飛び込む。


〝女性専用プール〟


見ると痴漢等防止のため、女性専用プールを設けたとのことだった。念のため、普通のプールに行ってみたが、圧倒的に男ばかりだった。


「なんか、つまんねーな」

「女の人いても、彼氏持ちだしな」

「さすがに声掛けらんねーよなぁ」


4人は何をするでもなく、ボーッと座っている。プール独特の塩素の香りが何となく切ない。


「なぁ」


水戸が口を開いた。


「やっぱ花道の練習見に行こうゼ」


そう言ってスッと立ち上がり、歩き出した。


「そうだな」

「そうしよーぜ」

「からかってる方が良いや」


3人も続けて歩き出す。


今日は何だか不純な気持ちが恥ずかしくて、差し入れでも買って行くことにしたのだった。


おわり
1/1ページ