大阪ver.

Days of the Week(大阪ver.)





国体合宿中、南と岸本はキャプテンの土屋に練習後、呼び出された。

ミーティングルームに入ると、そこには土屋と大栄学園の副キャプテンがいた。


「何や、土屋だけちゃうんかい」

「ゴメンなぁ。お疲れのところ。実はちょっとチームの親睦を深めなアカン思てな」

「親睦?俺らは仲良しごっこしとるんちゃうで」

「いや、まぁとりあえずコイツの話聞いたってや」


土屋に促され、大栄の副キャプテンが話し始める。


「お前ら3人はこまい時からバスケしとって、言葉にせんでも連携取れてるやろ。ほんでもウチと豊玉じゃプレイスタイルがちゃうし、なかなか合わせんの難儀なんが正直な所や」


思ったより真面目な内容で、南と岸本は少しだけ動揺した。続いて土屋が口を開く。


「ある意味、僕らがチームの輪を乱してるっちゅーことやんな?これはアカンと思って、親睦深めることにしてん」

「…で、親睦深めるって具体的に何するつもりなん?」

「キャンプファイヤーや」

「は?」 「えっ…」


大真面目な顔で、大栄の副キャプテンは答えた。


「知らんのか?キャンプファイヤーは親睦の儀式なんやで」

「そ、そうなんか…?」

「そうやで!ウィキ●ディアに書いとったもん」


土屋が自信満々に答える。


「スマンな。周りが俺らのことそない思っとるって気付かんかった」

「いや、謝らんでや。むしろ羨ましいわ」

「土屋、お前んトコの5番、なかなかええ奴やんけ」

「豊玉にはやらへんけどな」


このミーティングだけで、4人の親睦は深まった。キャンプファイヤーの力は凄いのかもしれない…。




翌晩、火の準備をしていた板倉が近所の人に通報され、やむを得ずキャンプファイヤーが中止になったのは、お蔵入りの歴史である。


おわり
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