あの日のことを後悔している
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初恋は渡邉理佐という女の子だった。
理佐とは小学校から一緒だったけど、仲良くなり始めたのは中学校から。
その時から理佐のことが好きだったんだと思う。
1年生の頃は気のせいだと思っていたけど、2年生に進級してから好きなんだと自覚した。
同性を好きになるなんておかしいことだとわかっていた。
でも想わずにはいられなかった。
ふとした時の仕草や楽しそうに笑うところ、理佐の言動すべてが特別にみえ、
理佐を想う気持ちが大きくなっていった。
私がこんなに理佐のことが好きなんだから理佐も好きなんだろうと自分勝手な想いも抱き始めた。
ちょっとしたスキンシップにも私のことが好きだから触れてくるんだ、とか
話しかけてくるのはもっと一緒にいたいからだ、とか思い上がりがエスカレートした。
気づいたら3年生、理佐と私と何人かの仲良しグループで同じ高校を受験しようと話が出た。
この話が出たとき、告白するしかないと思った。
受かっても落ちても付き合ってしまえばいつまでも繋がっていられる、
今よりも近い関係になりたかった。
だからといってすぐに告白するなんてことはせず、タイミングを見計らった。
理佐から自己採点したら余裕でライン超えたと連絡が来た。
今がそのタイミングだと思い、何回も書き直した手紙を靴箱に忍ばせた。
理佐「どうしたの?体育館裏に来てくださいって」
ザァーと吹く風に髪をなびかせながらそう声をかけてきた。
手には私が書いた手紙を持っていた。
「来てくれたんだ、ありがと~」
理佐「どういたしまして、で、話したいことってなに?」
今から告白すると思った瞬間、心臓が一気に脈を打ち始めた。
「あ、あの…」
理佐「ん?」
「今週の金曜から受験休み入るじゃん?何するか決めた?」
理佐「ん~特に予定ないかな?」
「そうなんだ!」
やってしまった…
でも予定がないってことは町ブラデートができる
何度もシュミレーションしたから飽きることはないし
絶対理佐喜ぶだろうな~
理佐「なにニヤニヤしてんの?」
「い、いや!してないよ!」
理佐「ふーん、そういえば自己採点したの?」
「うん、ラインぎりぎりだったからワンちゃん落ちるかも…」
理佐「そっかぁ…」
一緒に行けないかもしれないからってシュンとしている。
理佐もやっぱり私が必要なんだ
「理佐」
いつもより真剣な声音で理佐の名前を呼んだ。
それに気づいたのかしっかり目を見て話を聞こうとしてくれる。
「理佐のことが好き。私と付き合ってください」
頭を下げ右手を差し出した
…
反応がない。
もしかして聞こえなかったのかな?
「理佐?」
理佐はショックを受けた表情をしていた。
理佐「…冗談だよね?」
理佐はからかわれたと思ってショックを受けちゃったんだね
「違うよ、本当に理佐のことが好き」
そういうと理佐は目線をそらした。
照れちゃっているのか顔を見せてくれない
「照れt「さわらないで!」」
伸びかけていた手が止まった。
「へ?」
理佐「近寄らないで!」
理佐と目が合った。
その目ははっきりと拒絶の色が浮かんでいた。
「理、理佐?」
理佐「いや!」
そう言い放つと全速力でこの場を離れていった。
理佐が立っていた場所には私が書いた手紙が地面に捨てられていた。
「は、はは…」
理佐の後ろ姿が遠くなる。
理佐が握ってくれると思って差し出した手が力なく下がる。
理佐と共に喜び合えると思って上がっていた口角も徐々に下がる。
「私だけ、だったんだ、」
「っ、っ」
これ以上涙が出ないようにと上を向いた。
だけど、涙は止まることを知らなかった。
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