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シージ以外の妄想もしたい

ぐだぐだウォスティ

2019/10/16 16:49
RAGE2
RAGE2の紹介をしたかった
オチが思い浮かばなくて投げ出した駄文



チャズカー・ダービー。
レースに勝って金を稼いではその金でマシンを整備し、再びレースに挑んで負ければ酒を呷る。そんな馬鹿な連中が集まる場所だ。
ウェイストランドの金持ちが嗜む賭け事としては、MBTV(ミュータントを如何に華麗にバッシュするかを競うもの)とこのチャズカー・ダービーの2つが有名だ。この廃れた現代では数少ない娯楽で、テレビ中継も行われている。

しかし、ここに居る連中にとっては自分達に金が賭けらていることなんて関係ない。勿論金を稼ぐ為にレースに参加している奴も多いだろうが、やはり根本では皆同じことを思っているはずだ。
限界までエンジンをぶん回し、横を走る者がいれば突進し、時には愛車もろとも大炎上。大怪我を負っても治ればここに帰ってくる。それが連中にとっては最高の快楽なんだ。
スリルさえあれば血が巡り、喉が渇けばオイルを飲み干すようなヤバい奴ら。挑発し合い、レース中には本気で潰し合い、それが終われば認め合う。で、レース前になるとまた挑発し合う。オフの日にはジャンクパーツを持ち寄って酒瓶片手に語らっている姿なんかも見かける。

そんな危険な事の何が楽しいんだ、と問いたいか?
悪いが、俺に言われても困るな。
楽しいものは楽しい。理由なんてない。



初めて訪れた時はかなりの衝撃を受けた。
グーンやシュラウド(俺がこれまでに何十、いや、何百と殺してきた、決して良い子とは言えない連中だ)が熱心にマシンの手入れをするその光景には、笑いすら込み上げてきた。

目が合えば銃を向けてくるような奴らともここではマシンを通じて対話ができる。こんな素晴らしい場所、他にはないだろう。
個性が強い奴ばかりだが、共通して仲間意識を持っているように感じる。
泥酔して返事もできない女や、自分こそが至高の存在だと勘違いしている男、話すたびにボロクソに言ってくる糞野郎。一見すると良好な関係を築ける面子ではないが、奴らの間には確実に何かが芽生えている。
レースを重ねるうちに生まれた「友情」、「絆」とでも言えば綺麗にまとまるか?
何にせよ、この場所に魅せられた者は誰だろうと強い力で結ばれてしまう。世界を救っている最中のこの俺ですらここまで夢中になってるんだから、間違いないだろう。



そんな場所に暇さえあれば通っていると、グーンのイカれ野郎、スティッコ・チューとよく話すようになった。たまたま同じレースに参加することが多かったのだ。
外見は血を見るのが大好きなグーンの典型的な能無しにしか見えないが、あいつは話が上手い。頭の良い気狂いだ。
そして何より、あんなナリでも愛嬌がある。それがまあ恐ろしい程可愛いんだ。
おっと、いつまでも鼻血を拭こうとしないような男に可愛いは言い過ぎだな。

俺が近くを通りかかると、片手を上げてパタパタと駆け寄ってくる。目の前まで来ると歯を見せて笑う。身長差のせいで上目遣いになり、汚れた瞳に光が差す。
そして、挨拶代わりにこう言うのだ。
「アツ〜い愛をくれよォ……!」
飢えに飢えたこの話し方は、ここにろくな奴が居ないことを一発で教えてくれる。健全で純粋な、例えば何も知らない無垢な子供ですら巻き込んでしまいそうな危険性を秘めている。
既に巻き込まれてしまっている可哀想な俺は呆れ顔で「分かった分かった。次に愛してやれるのはいつだ?」と返す。
もっとアツい返事を期待していたのか、明らかに不服そうに口を曲げられた。そして更に残念そうな表情をして腕を組んだ。
「それがよォ、明後日までレースがねえんだ」



どうやらコースの整備という理由で今日明日のレースは中止になったらしい。ここの管理者であるチャズ・モラスがそう言い残していったそうだ。もちろん整備が行われている気配はないが。
しかし、チャズはいちいち理由をつけていなくなるような奴ではない。いつもふらっと姿を消してはいつの間にか戻っていて「勝手にいなくなるなって?ここは俺ん家だぞ?!」と言いつつも肉を食わせて機嫌をとろうとしてくる、憎めない自由人だ。
そんなチャズが理由を言い残して、しかもご丁寧に「明後日までレースは中止」と期間まで教えてくれるなんて普通じゃない。最悪、何かマズいことに巻き込まれている可能性もある。

あれでもかなり儲かっているはずだから、どこかのクソに「金を持って来なければお前のレース場をクソまみれにする」と脅されたのかもしれない。もしくは愛人(車)を人質にとられて「コイツを犯されたくなけりゃオマエが尻を出せ」とこれまた脅されたのだろうか。
何にせよ、命を落とすのだけは勘弁してほしい。管理者がいなくなったら、今ここに集っている人間は散り散りになるだろう。俺の唯一の楽しみであるレースができなくなってしまうじゃないか。

ただ、折角ここに寄ったのにあいつの心配をしているだけでは面白くない。しかしレースはできない。
いつもはハイになって無謀な運転をしている奴らも、大人しく愛車を弄っているか酒で潰れているかのどちらかだ。



それなら、と手を叩いて振り返った時には、彼の視線は既に自らの愛車へ向いていた。素早く顔をこちらに向け、眉を上げて言葉を急かしてくる。
落ち着きがなくて危なっかしいが、そんなところも俺の目には魅力的に映ってしまう。
滅多にまともな食事にありつけず、血を浴びても泥水で洗い流すような生活を続けているせいで気が狂ってしまったのだろうか。でないと、こんな変なモヒカンに惹かれるなんてあり得ない。
だが、一度浮かんだ提案を言わずに飲み込むことはできなかった。
「ガンバレルに行かないか?」
きょとんとして動かない彼の背中を「どうせ暇なんだからいいだろ」と叩いてやった。



「知り合いがやってるバーがあるんだ。値段はそこそこだが、とにかく居心地が良くてな」
「飲むならピットストップで充分だ……」
スティッコは納得のいかない口調でそう呟いた。ピットストップはコース沿いの崖の上にあり、酒瓶片手に俺たちのレースを観ることができるバーだ。中々の景色と破格の値段がウリで、この辺の奴らは好んで通っている。
しかし、大人しく助手席に座る姿を見るにガンバレルに行くのも嫌ではないらしい。車は既に街の手前まで来ている。
そわそわと景色を見回し、思い出したようにこちらを向いた。
「俺、この格好で入れるのか?」
緩いカーブを曲がりながら右に目をやると、本気で不安そうな表情をしているのが見えた。ここまで心配しているということは、相当行くのが楽しみなのかもしれない。
「大丈夫、俺が言えば通してくれるさ」
「おめぇ、グーンと連合がどんだけやり合ってるか知らねえのか」
「大丈夫だって。あぁそうだ、その辺にパーカーが落ちてないか?それである程度なら隠せるだろ。フードを被れば完璧だ」
言われた通りに足元にあった灰色のパーカーを手に取り、頭から被り始めた。
最近は四六時中レンジャースーツで過ごしていてしばらく着ていなかったし、このままこいつにやってしまおうか。大きめのサイズで着心地も良く結構なお気に入りだが、こいつになら譲っても後悔はない。案外大事に着てくれそうだしな。
街の入口に着き、エンジンを切ったところで彼の方を向いた。
「よかったらそのパーカー、……」
ガチガチのモヒカンのせいでフードを被った頭が鋭く尖っていて、思わず吹き出してしまった。



やはりここは落ち着く。
プロジェクト・ダガーで俺を支援してくれているマーシャルが経営するバーだ。清潔とは言い難い店内だが、隠れ家的な雰囲気と結構な広さのおかげかいつ来てもそこそこの客が入っている。
マーシャルは決して饒舌ではないが、様々な業界に精通していて知識は豊富だ。そんな彼に話を聞いてほしいという客も一定数は存在するのだろう。

「マーシャル、本当にいいのか?半分くらいは払わせてくれよ」
「いいや、遠慮するな。随分世話になったからな」
黙々と得体の知れない(ここでしか飲んだことのない味だが美味い)酒をジョッキに注がれる。これが今日はタダでいいと言うんだから、いいだけ太らされて食われてしまうんじゃないかと疑ってしまう。
スティッコはそんなことを考える余裕すらなさげに酒を喉に流し込んでいる。「レンジャーにこんな友人がいたとはな」とマーシャルが笑うが、それすらもお構いなしに「もう一杯!」とジョッキを突き出していた。自然と笑みが溢れてしまう。
「可愛い奴なんだ。車が好きで、純粋で……」
「なるほど、確かにそう見える。だが、グーンだろう?信用できるのか」
その言葉に素早く反応したのはスティッコだった。俺が「絶対に信用できる」と返そうと口を開いた頃には、彼は立ち上がると同時にカウンターに拳を叩きつけていた。
「俺はウォーカーの知り合いだ!!で、おめぇもウォーカーの知り合い!だから俺はおめぇを信用するし、おめぇも俺を信用する!!」
深いようで深くないことを叫んだかと思えば、彼らしい悪戯な笑みがこちらに向いた。
「だよな?」
慌てて「そうだな」と頷いたが、正直彼が話した内容は何も理解していない。何故かって、そりゃあこのモヒカンが馬鹿みたいに可愛い笑顔を見せたからだ。思考が停止するのも仕方ないだろ。
挙動不審になる俺を見て察したのか、マーシャルは呆れたように鼻で笑った。「お前さんが惚れ込む理由が少し分かった」なんて言いながら空いたカウンターを拭いている。
なんとなく恥ずかしくて、とりあえず手元にあった酒を呷った。「あ、それ俺のだぞ」とスティッコに指摘され、更に顔が熱くなったのを感じた。

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