シージ以外の妄想もしたい
ぐだぐだウォスティ②
2020/04/18 11:25RAGE2
続いたけど終わりは見えない
ちまちま書き足してく
スティッコが酔い潰れたら車で寝かせようかと考えていたが、マーシャルが気を利かせて寝床を貸してくれた。カウンターの裏、彼の生活スペースの奥にある道を少し進んだところにある物置のような(汚い)小部屋で、わざわざ(汚い)布団も持ってきてくれた。スティッコは既にそれに横になっている。
何を勘違いしているのかは知らないが、布団を置きに来たマーシャルは去り際に「向こうまで声が聞こえることはないから好きにしろ」と囁いた。返事をするのも馬鹿らしくて鼻で笑ってしまったが、同時にスティッコの反応を確認していた自分がなんとも情けない。
マーシャルの声は聞こえていなかったのか、スティッコは眠たげに目を細めながらどこかをボーッと見つめていた。
しかし、こんな奴は初めて見た。
飲めば飲むほどシラフに戻っていく、なんておかしいじゃないか。俺の倍は飲んでいたはずだが、スティッコは騒がしくなるどころかいつもより遥かに落ち着いて口数も減っている。泥酔して意識が遠のいているわけではなさそうだ。
恐らく、これが素の顔なのだろう。普段は何か理由があってああいう振る舞いをしているのかもしれない。
「随分と口数が減ったな」
「あぁ……そうか?飲み過ぎたか……」
そういえば、こいつがあんな量を飲んでいるのはこれまでに見たことがない気がする。レース場で飲んでいるのはよく見かけるが、量は控えめで、酔っている様子もなかった。
酒に弱いのを自覚してセーブしていたのではなく、“シラフ”を人に見せたくなかったということだろうか。もれなくイカれているはずのグーンにしては頭のいい奴だとは思っていたが、まだ秘めているものがあるらしい。
もっと深く知りたいと思ってしまった。よりによってこの変なモヒカンのことを、だ。
完璧にこいつの虜だ。イカれているのは俺の方だな。
「ここの酒、うめぇな」
そう呟いた彼の瞼はもう閉じかけている。「また来ような」と返したがそれに返事はなかった。
寝てしまったのかと思い銃の手入れを再開したが、少しして大きな溜め息が聞こえてきた。溜め息なんてらしくない、と再びスティッコに視線をやったが、思いつめた表情を見て今の彼はいつもとは別人だということを思い出した。
声をかけようか迷っているうちに長い睫毛に目がいった。虚ろな瞳と相まって美しさすら感じさせる目元に、思わず生唾を飲んだ。
今日は俺も飲み過ぎてしまったのだろうか。
右目は何やら怪しげな器具に覆われているが、それが何の為にあるのかは尋ねてみないと分からない。が、何の為だっていい気もする。
それが非人道的な理由で誰かに装着させられたものだとしても、馬鹿げた理由で自分ではめ込んだものだとしても、俺には関係ない。俺が知っていいのはあくまで今ここに存在しているスティッコだけであり、わざわざ彼の過去に触れる必要はないのだ。
向こうからそれを求められた時、初めて過去を知ることが許される。……と思っているが……ああ、こんなことって酔っ払っていないと考えないよな。
くだらないことを考えるのは今すぐにやめよう、と銃の手入れに意識を戻す。それなのに何故か脳はそれを認めないようで、必死に彼の顔を頭の中に浮かべ続けようとしてくる。
腹が立ち、とっくに手入れが終わっているハンドガンを意味もなくバラバラにしてやった。
ちまちま書き足してく
スティッコが酔い潰れたら車で寝かせようかと考えていたが、マーシャルが気を利かせて寝床を貸してくれた。カウンターの裏、彼の生活スペースの奥にある道を少し進んだところにある物置のような(汚い)小部屋で、わざわざ(汚い)布団も持ってきてくれた。スティッコは既にそれに横になっている。
何を勘違いしているのかは知らないが、布団を置きに来たマーシャルは去り際に「向こうまで声が聞こえることはないから好きにしろ」と囁いた。返事をするのも馬鹿らしくて鼻で笑ってしまったが、同時にスティッコの反応を確認していた自分がなんとも情けない。
マーシャルの声は聞こえていなかったのか、スティッコは眠たげに目を細めながらどこかをボーッと見つめていた。
しかし、こんな奴は初めて見た。
飲めば飲むほどシラフに戻っていく、なんておかしいじゃないか。俺の倍は飲んでいたはずだが、スティッコは騒がしくなるどころかいつもより遥かに落ち着いて口数も減っている。泥酔して意識が遠のいているわけではなさそうだ。
恐らく、これが素の顔なのだろう。普段は何か理由があってああいう振る舞いをしているのかもしれない。
「随分と口数が減ったな」
「あぁ……そうか?飲み過ぎたか……」
そういえば、こいつがあんな量を飲んでいるのはこれまでに見たことがない気がする。レース場で飲んでいるのはよく見かけるが、量は控えめで、酔っている様子もなかった。
酒に弱いのを自覚してセーブしていたのではなく、“シラフ”を人に見せたくなかったということだろうか。もれなくイカれているはずのグーンにしては頭のいい奴だとは思っていたが、まだ秘めているものがあるらしい。
もっと深く知りたいと思ってしまった。よりによってこの変なモヒカンのことを、だ。
完璧にこいつの虜だ。イカれているのは俺の方だな。
「ここの酒、うめぇな」
そう呟いた彼の瞼はもう閉じかけている。「また来ような」と返したがそれに返事はなかった。
寝てしまったのかと思い銃の手入れを再開したが、少しして大きな溜め息が聞こえてきた。溜め息なんてらしくない、と再びスティッコに視線をやったが、思いつめた表情を見て今の彼はいつもとは別人だということを思い出した。
声をかけようか迷っているうちに長い睫毛に目がいった。虚ろな瞳と相まって美しさすら感じさせる目元に、思わず生唾を飲んだ。
今日は俺も飲み過ぎてしまったのだろうか。
右目は何やら怪しげな器具に覆われているが、それが何の為にあるのかは尋ねてみないと分からない。が、何の為だっていい気もする。
それが非人道的な理由で誰かに装着させられたものだとしても、馬鹿げた理由で自分ではめ込んだものだとしても、俺には関係ない。俺が知っていいのはあくまで今ここに存在しているスティッコだけであり、わざわざ彼の過去に触れる必要はないのだ。
向こうからそれを求められた時、初めて過去を知ることが許される。……と思っているが……ああ、こんなことって酔っ払っていないと考えないよな。
くだらないことを考えるのは今すぐにやめよう、と銃の手入れに意識を戻す。それなのに何故か脳はそれを認めないようで、必死に彼の顔を頭の中に浮かべ続けようとしてくる。
腹が立ち、とっくに手入れが終わっているハンドガンを意味もなくバラバラにしてやった。