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    20251231(水)23:59
    作品にならなかった断片です
    いつかストーリーに組み込まれることがあるかもしれません
  • 24

    20250708(火)22:55
    ※参政党には投票しないでください。
    ※栄太はインドと日本にルーツがあります。出身地はUKです。

     居酒屋にて。
     栄太、知久、飲食しながら雑談している。
    知久「そろそろ選挙やな。注目の候補者はいてる?」
    栄太「ああ、参院選が近いんでしたね。すみません、あまり情報を追ってなくて」
    知久「栄太が? どないしてん?」
    栄太「もう疲れたんですよ、政治の話」
    知久「今回の選挙はホンマにひどいもんな」
    栄太「ひどい? そんな言葉では済まされませんよ。どこを見てもヘイト、ヘイト、ヘイト。ただ情勢を知ろうとするだけで、いちいち差別を目にしないといけないんですよ。To hell with this g****** country. 」
    知久「Hey, watch your mouth. We’re not at home. 」
    栄太「すみません。でも言わずにいられなくて…」
    知久「気持ちはわかるけど…」
    栄太「わかる? 参政党が演説しているかもと思ったら、こっちは安心して駅前を歩くことすらできない。そんなこと貴方にはわからないでしょ」
    知久「ごめん、そうやんな。俺と栄太では体験してることが全然ちゃう。想像力がなかった」
    栄太「…違う、私はトミーを責めたいんじゃない。こちらこそごめんなさい。感情をどこに持って行けばいいのかわからないんです」
    知久「栄太、俺やって怖いねん。あいつらがファーストしたがってる『日本人』に、クィアで精神疾患のある俺は含まれへんのやから。いつか『福祉として安楽死させてあげよう』とか言われるかもな」
    栄太「私こそ想像力がありませんね、誰も安全ではいられないのに」
    知久「…ところであいつらは排外主義を掲げて、その先に何がしたいんやろな。『いなくなってほしい』の先にあるんは、『殺せ』しかないのに」
    栄太「殺したいんでしょ、きっと。そんなこと歴史を振り返れば明らかです」
    知久「悪趣味な奴らやな。差別では絶対に幸せにならへん。人生の幸福に必要なんは、ただ食って遊んで寝る日々やで。その毎日を守るために政治はあるんやろ」
    栄太「差別したいという欲望の前では、そういう当たり前のことさえ忘れてしまうんでしょうね。生活を守らない政治なんて政治ではないのですが」
  • 23

    20250706(日)02:16
    ※勇は福島県の出身で、大阪に来たばかりです。
    ※勇は仕事では後輩です。

     昼。寮の廊下、知久の部屋の前にて。
     勇、知久の部屋のチャイムを押す。
    勇「(声を張り上げて)桐生さん、こんにちは、いらっしゃいますか」
     部屋の中から足音。
     玄関のドアが開き、知久が顔を出す。知久の髪は寝癖で爆発している。目も眠そう。
    知久「何?」
    勇「もしかしてお休みのところ邪魔してしまいましたかね?」
    知久「そういうことになるな。昼寝しててん」
    勇「それは失礼しました。でも桐生さんに聞いてもらわないといけないことがありまして」
    知久「俺に? 相良さんが?」
    勇「ちょっと発声練習しますね。(両手を腹に置いて、音階を上げていく)あーあーあーあーあー♪ あーあーあーあーあー♪」
    知久「ホンマに何なん!?」
    勇「うん、今日も良い声。ではいきますね」
     勇、足を肩幅に開き、手を後ろに組む。
    勇「(腹から声を出して)六甲颪に 颯爽と 蒼天翔ける 日輪の♪」
    知久「ストップ、待って、いきなりどないしたん?」
    勇「だって今日が評価の日なんでしょ?」
    知久「評価? 何のこと? 俺、何も知らへんで」
    勇「丹羽さんから聞きましたよ。僕の人事評価は桐生さんがやっていて、それは阪神タイガースに対する忠誠心で計る、と」
    知久「そんなわけないやろ。いちいち昴に騙されんなや」
    勇「(不満そうな様子で)それ、僕が悪いんですかね? 騙す丹羽さんが悪いんじゃないんですかね?」
    知久「騙されるから揶揄われんねん」
    勇「桐生さんは詐欺事件が起こったときに、詐欺師よりも被害者が悪いと考えるんですか? もちろん詐欺師が悪いですよね?」
    知久「それは当たり前に詐欺師が悪いけど、騙されんように自衛するんも大事やろ。まだ昴に騙されてる内はええけど、そんなんやったらいつかホンマに詐欺師に騙されんで」
    勇「失礼な。むしろ僕は騙されそうなおばあさんを助けて、警察から表彰されたことがあるんですよ」
    知久「(苦笑して)ほな、何で昴に騙されんねん」
    勇「丹羽さんは詐欺師さえも上回っています」
    知久「それはない、絶対にない。とりあえず帰って。人事評価の話は嘘やから」
    勇「待ってください、せっかく六甲おろしを覚えたんです。僕の努力を無駄にしないでくださいよ」
     知久、玄関のドアを閉める。
    勇「仕方ない、ここで歌うか…」
     勇、再び歌う姿勢を整えて、
    勇「(寮に響き渡る声量で)六甲颪に 颯爽と♪」
     知久、玄関のドアを開ける。
    知久「わかった。最後まで聞くから、せめて声量を下げてくれへん?」
    勇「はい。よかった、これで僕の熱意をお届けすることができますね。では3番まで歌いますね」
    知久「1番だけで大丈夫やから」
  • 20-2

    20250603(火)22:17
    ※瑞希は157cmと小柄、尚人は180cmのマッチョです。

     寮の廊下にて。
     瑞希、尚人の部屋のチャイムを押す。
    瑞希「尚人、入るで」
     部屋の中から声がして、
    尚人「どうぞ。入って」
     瑞希、ドアを開けて、部屋に入る。
     瑞希、リビングに入る。
     尚人、タオルで汗を拭いているところ。上半身は裸のままで、下はジャージを履いている。
    尚人「何か飲む? プロテインやったらすぐに用意できるけど」
    瑞希「今は何もいらんかな」
    尚人「そう?」
     瑞希、ソファーに座る。
     尚人、キッチンに向かう。キッチンはペニンシュラタイプ。
     尚人、キッチンでプロテインのドリンクを作る。
     瑞希、尚人の様子を眺めている。
    瑞希「尚人、何を目指してん?」
    尚人「質問の意味は?」
    瑞希「ボディービルの大会に出たいとか、そういう目標があるんかなって」
    尚人「特定の目標があるわけではないんやけど… ただ行けるところまで行きたいってだけ」
    瑞希「(苦笑して)そうなんや。ストイックやな」
     尚人、プロテインシェイカーを持って、リビングに戻る。
     尚人、瑞希の隣りに座る。
     瑞希、少しだけ尚人から離れる。
    尚人「ごめん。汗臭かった?」
    瑞希「ちゃうねん、圧がすごいねん」
    尚人「そう? 俺なんてまだまだやで。俺の通ってるジムでは細い方やから」
    瑞希「比較対象がおかしいねん。どこぞのマッチョの話なんてしてへんから。俺と比較しろや」
    尚人「大袈裟やな。俺くらいやったら普通体型の範疇やろ」
    瑞希「マッチョの世界の常識はどうでもええから、一般常識の話をしてくれへん? それよりいつまで裸やねん」
    尚人「運動したばかりやから暑いねん。もう少し待って」
    瑞希「暑いってホンマに? 見せたいだけちゃうやろな」
    尚人「まさか。俺はナルシシストちゃうねん」
     尚人、テーブルにプロテインシェイカーを置き、代わりにハンドグリップを持つ。
     尚人、右手でハンドグリップを握る。
     瑞希、立ち上がる。
    尚人「どないしたん? トイレ?」
    瑞希「帰るわ」
    尚人「もう帰るん? さっき来たところやん」
    瑞希「尚人は筋トレしたいみたいやし、お邪魔やったかなって…」
    尚人「別に。気にせんでええで。手が暇やっただけやから。何やったら瑞希も一緒にしたらええやん、筋トレ」
    瑞希「結構。そうや、俺、家で将棋を観たいねん。将棋あること忘れてたわ」
    尚人「そう、やることあるんやったらしゃあないけど…」
     瑞希、玄関の方へ向かいながら、
    瑞希「ほな、またな。今度は服を着ながら話そうな」
  • 22

    20250527(火)15:36
    ※知久はいつもジャージを着ています。

     本部の食堂。
     知久、勇、テーブルを挟んで食事している。
    勇「桐生さん、肌の色を診断するやつって知ってますか?」
    知久「(考え込むように)何やったかな、だいぶ前から流行ってるやつやんな… (思い出したように)パーソナルカラーや!」
    勇「そう、それです! アオベとかアカベとかあるやつ」
    知久「そんなんやったけ? 青と黄色ちゃうかった?」
    勇「ではアオベとキベですかね?」
    知久「それもちゃうかったと思うんやけど… そういうの俺に振られても困んねんな。見ての通り、ファッションに興味ないし」
    勇「お姉さんがモデルだと聞いたので、そういうのに詳しいかと…」
    知久「姉は姉。俺はファッションは全くやから。ところで何でパーソナルカラーが気になってん?」
    勇「執務室で雑談していたときに、そういう話題になったんですよ。知らないなんて信じられないって口調だったので、少しは勉強しておかないといけないのかなって」
    知久「そこまで気にせんでええと思うけど…」
    勇「僕、登山と温泉にしか興味がない人間なので、いつも雑談の話題に困っちゃうんですよ」
    知久「話題な… 俺は起きたらとりあえずSmartNewsを見て、その日の話題を仕入れてるかな」
    勇「マメですね。できる人は違うな…」
    知久「でもしょうもない話題ばかりやから、SNSでバズってるレシピとか」
    勇「僕のニュースアプリ、もうアウトドア系の記事しか出ないんですよ」
    知久「たまに違う記事も見たら、出る記事も変わるやろ」
    勇「とにかく僕は休憩から戻ったら、パーソナルカラーの話がしたい! アオベとキベがあって、アオベの方が偉いんですよね? で、僕はキベだからちょっと残念らしいです」
    知久「肌の色に優劣はないやろ。とりあえずアオベとキベの二種類って知識でええんちゃう? おもろいおじさんとして親しみは持たれるやろ」
    勇「確かおもろいって大阪では大事なことなんですよね? ではそれでいきます!」
    知久「何か大阪に誤解があるみたいやけど… まあ、頑張って」
  • 21

    20250527(火)13:26
     本部の休憩室にて。
     昴、知久、コーヒーを飲みながら雑談。
     休憩室には人がまばら。
    昴「最近、ちょっとしたマイブームがあるんですよ」
    知久「へぇ、何なん?」
    昴「BDSMです」
    知久「(思わず大声が出そうになるが、できるだけ声のボリュームを抑えて)えっ!?」
     知久、思わず周囲を見回す。近くのテーブルの人と目が合い、慌てて目を逸らす。
     知久、昴の方に向き直って、
    知久「それ、ここでしてええ話なん?」
    昴「BDSMくらい何だって言うんですか。みんなやってますよ」
    知久「そうなんかな? 俺、アセクシュアルやから知らへんだけかな」
    昴「僕のパートナーはアセクシュアルでアロマンティックですよ」
    知久「そうなん!? アセクシュアルでもBDSMすることあるんや…」
    昴「契約的な関係に安心感を覚えるらしいですよ。桐生さんも試してみたらどうですか?」
    知久「俺はええかな… ちなみにどっちか聞いてもええ?」
    昴「僕ですか? Mですよ」
    知久「昴がM!? ニヤニヤしながら蝋燭とか垂らしてそうやのに?」
    昴「(呆れた様子で)BDSMを何だと思ってるんですか… 自分でもやってみて意外だったんですが、Mも楽しいですよ。そこでだけは弱いところを曝け出せるので好きですね」
    知久「そういうもんなんや… 昴が素直になってるところ、ちょっと見てみたいかもしれへん」
    昴「ぜひ桐生さんも試してみるといいですよ。桐生さんは気遣いができるし、Sに向いていそうですよ」
    知久「ちょっとだけ興味は湧いたけど、俺はやっぱりええかな」
  • 20

    20250525(日)21:31
    ※透はドイツに短期留学したことがあります。

     寮の廊下にて。
     成美、和真の部屋のドアをノックする。
    成美「和真、入るぞ」
     部屋の中から声がして、
    和真「ごめん、一瞬だけ待って」
     少し間が空いてから、ドアが開く。和真が顔を出す。
     和真、パンツだけを身につけている。
    和真「いいよ」
     成美、部屋に入る。
     成美、和真、リビングに進みながら、
    成美「少し時間をやったんだから、服くらい着やがれ」
    和真「ちゃんと着たよ。成美が来るまでは全裸だったんだから」
    成美「和真なりに気遣いはしたんだな。それはどうも」
     成美、ソファーに座る。
    成美「何でそこまで服が嫌いなの?」
    和真「窮屈だからだよ。それ以外に理由ある?」
    成美「外では我慢して服を着てんの?」
    和真「そういうことになるね。世間が許すなら、裸で生活したいよね」
     和真、成美の隣りの座る。
    和真「人って何で服を着ないといけないんだと思う?」
    成美「そう言われれば考えたことなかったな… 股間を隠すため?」
    和真「みんなが裸なら隠さなくてもいいじゃん、恥という概念がなくなるんだから」
    成美「確かに。寒さから身を守るため?」
    和真「それは合理的な理由かも。でも暑かったら裸でいいじゃん」
    成美「屁理屈ばかりうるせぇな。もうドイツに移住した方がいいぞ。ドイツには裸の文化があるって、呉本から聞いたぞ」
    和真「それとは違うんだよな… 俺は裸でビーチに行きたいんじゃないんだよ。裸でコンビニに行きたいんだよ」
    成美「行ったらいいんじゃね? 俺は止めねぇぜ。止めるのはポリだけだ」
    和真「そこが問題なんだよね。警察官だって裸体を持ってるのに、何で裸を取り締まるのかな」
    成美「勝手に言ってろ」
  • 19

    20250524(土)19:41
     真澄の部屋のリビングにて。
     真澄、京介、ルームウェアを着てくつろいでいる。
     真澄は風呂から上がったばかりの様子。
     真澄、ポーチから化粧品を取り出して、
    真澄「今日はこれを試します」
    京介「韓国で買ったやつか?」
    真澄「そう。日本でも売ってるけどね」
     真澄、美容液を手に取り、掌に延ばしながら、
    真澄「極小の針がたくさん入ってるんだって。それで肌に穴を開けて、美容液を浸透させるみたい」
    京介「それ、使っても大丈夫なのか?」
    真澄「大丈夫だよ。友達が使ってるんだけど、すごく効果があるって言ってたよ。ちょっと痛いらしいけど」
     真澄、掌で美容液を顔に擦り込む。
    真澄「意外と痛くないかも」
     真澄、美容液を擦り込み続けてから、
    真澄「やっぱりチクチクする」
    京介「当たり前だろう。肌は何ともないのか?」
     京介、手を伸ばして、真澄の頬を触る。
     真澄、京介の手から逃げるように、上半身を反らす。
    真澄「痛いって言ってるでしょ」
     京介、手を引っ込める。
    京介「ああ、すまない」
    真澄「キョンも試してみてよ」
     真澄、立ち上がり、京介の隣りに座る。
    京介「俺は遠慮する」
    真澄「私の痛みを知ってほしいから」
     真澄、美容液を手に取り、掌に伸ばす。
    真澄「こっち向いて」
     京介、真澄の方に顔を向ける。
     真澄、京介の頬に美容液を擦り込む。
     真澄が少し擦り込んでから、京介が逃げるように上半身を反らす。
    京介「痛い! やめろ!」
    真澄「(笑いながら)大袈裟すぎ。さすがにそこまで痛くないから」
    京介「本当に痛いぞ。これは確実に肌に悪い」
     京介、立ち上がり、
    京介「洗い流してくる」
    真澄「擦ったら逆に痛いんじゃない?」
     京介、その場に座る。
    京介「そうだな。これ、絶対に使わない方がいいぞ」
    真澄「そんなことないよ。浸透してる感じはする」
    京介「何で痛い思いまでしたがるんだ?」
    真澄「私にもわからない。でも例えるなら筋トレみたいな感じかな。一種の快感があるのかも」
    京介「真澄、SなのかMなのかわからんな…」
  • 18

    20250522(木)16:51
     夜。勇の部屋の寝室にて。
     部屋は間接照明のみ。
     勇、歩、ベッドで向かい合うように横になっている。素肌に布団をかけた状態。
     布団から歩の肩が出ている。肩にはトカゲのタトゥー。
    勇「タトゥー、綺麗になりましたね」
    歩「そうだろ? やっと傷も治ったところだよ。やっぱり定期的にリタッチはしておくべきだよな。タトゥーを入れてから今までしたことなかったけど」
    勇「リカルドはタトゥーを増やすつもりないんですか? 桐生さんとかすごいですよ」
    歩「さすがにトミーくらい入れちゃったら、日本での生活に困るよ。これ以上は増やせないな」
    勇「そうですよね。せめて隠せるくらいじゃないと大変ですよね」
    歩「勇は温泉に入るのが好きだから、やっぱりタトゥーを入れるつもりはない?」
    勇「ないですね。生きがいがなくなっちゃう」
    歩「もし温泉でもタトゥーが解禁されたとしたら、勇ならどんなタトゥーを入れる?」
    勇「そうなったとしても入れないかな、僕は」
    歩「入れるとしたらだよ。ifで考えて」
    勇「何でしょうね… 白虎とか? 会津といえば白虎隊ですし」
    歩「でも白虎隊って悲しい最期だったんだろ?」
    勇「確かに… ちょっと縁起が悪いかもしれません」
    歩「あれにしたらどう? 何だっけ、あれ、福島の有名な人形…」
    勇「赤べこですか?」
    歩「そう、それ!」
    勇「縁起は良いですが… 赤べこのタトゥーってマヌケじゃないですか?」
    歩「(笑って)ちょっとヌケてる柄の方が、勇の雰囲気にも合ってるよ」
    勇「(不満そうな様子で)何ですか、それ。せっかく入れるならイカつい柄にしたいですよ」
    歩「イカついのにしたいの? (少し考えてから)それなら背中一面の般若とかどう?」
    勇「さすがにイカつすぎますよ。般若をモノにできるのは寺田さんくらいですよ」
     (インサート)瑞希の後ろ姿。背中一面に般若が描かれたパーカーを着ている。
    勇「僕には無理ですね」
    歩「そうだな… 勇にはイカついのは似合わないよ。赤べこがいいよ」
    勇「赤べこか… 僕、般若を制する男になるまでは、タトゥーを入れないことにしますね」
    歩「般若なの!?」
    勇「やるんだったら寺田さんを凌駕したいじゃないですか」
    歩「たぶん勇が般若を制する日は来ないよ」
  • 17

    20250521(水)23:28
    ・瑞希が京介と知り合ってから、少し経った頃です。
    ・京介は中国の歴史や文化に興味があり、中国語も学習しています。
    ・中国語の知識が不正確な可能性があります。真剣に受け取らないでください。

     京介の部屋にて。
     京介、瑞希、床に座って雑談しているところ。
    瑞希「ちょっと中国語を教えてほしいんやけど、構へん?」
    京介「いいぞ。今、暇だからな。しかしいきなり教えろと言われても困るな… どんなことから知りたいんだ?」
    瑞希「仕事で北京に行くことになったから、簡単な自己紹介くらいは中国語でしたいなって」
    京介「わかった。では文法の説明は抜きで、フレーズを丸暗記しよう。まずは你们好(nǐ men hǎo)」
    瑞希「ニーハオちゃうんけ?」
    京介「你好は一人が相手のとき。仕事で挨拶するなら複数人が相手だろう。だから你们好だ。中国語は声調が命だ。最初は発音はできないものだから、せめて声調だけは合わせろ。もう一度、你们好」
    瑞希「ニーメンハオ」
    京介「とりあえず良しとしよう。次は名前だ。…ちょっと声調を調べるから待ってろ」
    瑞希「わかった」
     京介、スマホを手に取る。ネットで『寺田瑞希』の声調を調べる。
    京介「(スマホから顔を上げて)我叫寺田瑞希(wǒ jiào sì tián ruì xī)。これで自分の名前が言える」
    瑞希「何て? ごめん、もう一回」
    京介「(ゆっくりと発音して)我叫寺田瑞希」
    瑞希「ウォー、チャオ、スー、ティエン、ルイ、シー。こんな感じけ?」
    京介「まあ…通じなかったら漢字で書け。そのまま日本語で『テラダ ミズキ』と言っても構わん。次は自分の国籍でも言おうか。我是日本人(wǒ shì rì běn rén)。繰り返すぞ、(ゆっくりと発音して)我是日本人」
    瑞希「待って、どうやって発音するん? 難しすぎへん?」
    京介「日本人(rì běn rén)だろ? 最初は俺も難儀したのだ。rの音を出すときは、舌を後ろに反らして、rì běn rén。実はお前の名前にも入ってるんだぞ。寺田瑞希(sì tián ruì xī)のruìだ」
    瑞希「俺、中国語は無理かもしれへん…」
    京介「諦めるのが早すぎるぞ。最初は発音はできなくて当然だ。中国語なんて通じなかったら書けばいいのだ」
    瑞希「でも自己紹介の度にそれを言わなあかんねんで。そんな重要なフレーズすら言われへんなんて、俺、中国語に向いてへんわ…」
    京介「大丈夫だ。日本語の発音でリーベンレンでいいから、とりあえず言ってみろ。歓迎してもらえるぞ」
    瑞希「そんなもんけ?」
    京介「そんなものだ。日本人だってそうだろう。片言でも日本語で挨拶されたら嬉しいだろう?」
    瑞希「確かにそうやな… やってみるわ」
    京介「その意気だ。加油(jiā yóu)!」
  • 16

    20250412(土)03:39
    ※昴と透が出会ったばかりの頃。
    ※透と昴は体格が異なります。透は痩せていて、昴は筋肉質です。
    ※透はコンサバティブなファッションをしていて、いつも質の良い服を着ています。昴はモード系です。

     昼。本部の休憩所にて。
     透は席に着いて、コーヒーとサンドウィッチを口にしている。
     昴、パンとコーヒーを持って、透の近くまで歩いてくる。
    昴「一緒にいいですか?」
    透「どうぞ」
     昴、透と向かい合って座る。
     昴、ジャムパンの包装を開けながら、
    昴「健康診断は終わりました?」
    透「終わった。そっちは?」
    昴「頑張って早起きして終わらせました」
    透「珍しいじゃん」
     昴、パンを食べながら、
    昴「午後からやらないといけないことがあるんです」
    透「そっか」
    昴「身長をお聞きしてもいいですか?」
    透「そんなの聞いてどうするんだよ」
    昴「ずっと気になってて。僕と同じくらいの身長の人、そうそう見ませんので」
    透「おかげで俺だけが目立つことにならずに済んだよ」
    昴「こちらこそ。ところで身長は?」
    透「他人に聞く前に、自分が先に言うのが筋だろ」
    昴「自信がないんですか?」
    透「(軽く笑って)別に。競うつもりもないよ」
    昴「いいでしょう、僕が先に言います。189cmです」
     少し間を空けて、
    透「…負けたよ、187cm」
    昴「(にやりと笑う)悔しそうですね。競うつもりなかったんじゃないんですか?」
    透「自分でも悔しいのが不思議だよ」
    昴「そうそう身長で負けることないでしょうからね。では僕が勝ったのでわがままを聞いてもらいますよ」
    透「何だよ」
    昴「次の土曜日の夜、服を貸してください」
    透「(苦笑して)嫌だよ。服の趣味だって違うだろ」
    昴「恋人とレストランに行く予定がありまして。たまには上品なところも見せたいじゃないですか」
    透「…わかったよ、サイズが合えばな。たぶん合わないと思うよ」
    昴「無理矢理でもねじ込みます」
    透「破いたら直してもらうぞ」
  • 15

    20250321(金)06:13
    ※公序良俗に反することを話していますが、このような行為を推奨する意図はありません。
    ※相良勇は登山が趣味です。

     冬の昼。
     成美、和真、寮の近くの道を歩いている。
    成美「寒ぃな」
    和真「風が冷たいね」
    成美「耳と鼻がもげそう」
    和真「マスクすればいいのに。鼻は暖かくなるよ」
    成美「耳の裏が荒れててさ」
    和真「バラクラバはどう?」
    成美「バラクラバか… マジで買おうかな」
    和真「相良さんならたくさん持ってるはずだから借りたら?」
    成美「それ、ガチなやつじゃねぇか。そんなの街中で着けたら怪しいだろ」
    和真「暖かそうだよ。そのまま銀行強盗にも行けて便利だし」
    成美「俺のこと何だと思ってやがる」
    和真「窃盗で捕まったことある人」
    成美「捕まってねぇよ。ちゃんと店に謝罪したら許してもらえたし」
    和真「窃盗したことに変わりないじゃん」
    成美「昔の話だろ。今は心を入れ替えたんだよ」
    和真「本当に? もし相良さんに誘われたら?」
    成美「何でイッサが誘ってくるんだよ」
    和真「きっとあれだよ、山で遭難して、救助にお金がかかったんだよ」
    成美「それなら仕方ねぇな。友達が困ってるときは助けてやらねぇと。俺は運転手やるよ」
    和真「成美の方が実行犯に向いてるでしょ。相良さんは未経験者だから…」
    成美「俺だってそうだわ。それに俺は小心者なんだよ。和真も知ってるだろ」
    和真「それもそうだね」
    成美「イッサは消防士やってたくらいだから度胸あるだろ。ついでに和真にも仕事をやるよ」
    和真「えっ、俺も? 巻き込まないでよ」
    成美「強盗を提案したのはお前だろ」
    和真「確かにそうだった。言い出したからには責任を取るよ」
    成美「よし、和真はにこにこしながら窓口に近づいて、職員を油断させる係な」
    和真「自分でも向いてると思う、それ。相良さんから登山道具も借りて、登山客を装って行こう」
    成美「完璧な計画だな」
    和真「防寒も銀行強盗もできて、バラクラバは一石二鳥だね」
  • 14

    20250208(土)02:07
    ※勇は都会を歩くのが苦手なので、真澄に付き合ってもらっています。

     冬の朝。金閣寺の境内にて。
     雪が舞い、境内も白くなっている。カメラを持った観光客で賑わっている。
     勇、真澄、金閣寺を眺めている。
    勇「(テンションが高そうに)そう、これが見たかったんですよ。今までずっとチャンスを逃していて」
    真澄「(テンションが低そうに)そう、良かったね」
    勇「まだおネムですか?」
    真澄「そんなことないけど…」
    勇「もっと喜びましょうよ。立花さんは京都出身だから当たり前になってるかもしれませんけど、他県民にとっては憧れなんですからね、この景色」
    真澄「そこまで?」
    勇「だって写真でよく見るわりに、実際にはほとんどお目にかかれないんですから」
    真澄「一年に一度か二度くらいだよね」
    勇「そうでしょ? (幸せそうに目を細める)見れて良かったな…」
     真澄、その場で軽く足踏みしながら、
    真澄「イッサ、そろそろ満足した?」
    勇「えっ、もうちょっと見ましょうよ。せっかく来たんですから」
    真澄「じゃあ、イッサは好きなだけ見てて。私はカフェに行ってるから。寒すぎる、耐えられない」
    勇「この景色の前では寒さも吹き飛ぶけどな…」
    真澄「イッサは福島出身だからでしょ。京都ではそうそうない寒さなの」
    勇「わかりました。どこかで暖かくしてください。付き合わせてすみませんね」
    真澄「それはいいの。帰りたくなったらLINEして」
    勇「了解です」
     真澄、その場から歩いて立ち去る。
  • 13

    20240912(木)03:02
     晩夏の夜。歩の部屋にて。
     歩、勇、テーブルを挟んで、向かい合わせになって座っている。
     外からは虫の声が聞こえる。
    勇「秋ですね」
    歩「そうだな。気温は夏のままだけど、季節は着実に進んでるんだな」
    勇「リカルド、外に出ませんか? もっと近くで音色を聞きたくて」
    歩「でも暑いの苦手だろ?」
    勇「それくらい我慢できますよ」
     ロビン寮の庭にて。
     勇、歩、アウトドアチェアーに座っている。
    勇「(歌う)秋の夜長を鳴き通す ああ おもしろい虫の声」
    歩「(聞き入ったように)良い声だな」
    勇「虫が? 僕が?」
    歩「(微笑んで)どっちも。勇の声、もっと聞きたいな」
    勇「ごめん、後で」
     勇、立ち上がる。
    歩「(勇を見上げ)どうしたの?」
    勇「暑い。戻りましょう」
     歩、勇を見つめたまま、ぽかんとした表情。
    勇「誤解しないでくださいね、怒ってるわけじゃないんで。でも暑いんです」
    歩「(苦笑して)わかってるよ」
     歩、立ち上がる。
     勇、歩、アウトドアチェアーを畳む。
    勇「さっきはごめんなさいね。歌の続きは部屋で」
    歩「気にしてないよ」
  • 12

    20240906(金)05:33
    ※透と栄太は恋人ではありません。栄太は透に好意を寄せていますが、透は拒みも受け入れもしていません。
    ※透はアセクシュアルです。

     ショッピングモールにて。
     透、トイレの外で立っている。
     栄太、トイレから出る。
    栄太「お待たせしました」
     透、栄太、歩き出す。
    栄太「透くん、手を繋いでもいいですか?」
     透、ズボンのポケットに手を突っ込む。
    透「トイレに行った後、手は洗ったか?」
    栄太「ええ、洗いましたよ」
    透「どれくらい? 1分は洗ったんだろうな?」
    栄太「1分は長すぎるでしょう。10秒くらいですね」
    透「お断りだ」
     透、ポケットから手を出して、拒むように固く腕組みする。
    栄太「流水の力でちゃんとキレイになりますよ」
    透「科学を勉強しろ」
    栄太「わかりましたよ。今からトイレに戻って、しっかり洗いますから。それならいいでしょう?」
    透「手を洗うのは当然として、やっぱり暑いから嫌だね」
    栄太「どっちにしろダメなんですね」
    透「何でそこまで手を繋ぎたがるんだ?」
    栄太「そうですね、相手の体温を感じたいからですかね」
    透「そこがよくわからないんだよな」
    栄太「手を繋ぐのは苦手ですか?」
    透「あまり好きじゃないな。掌が湿るのがちょっと」
    栄太「わかりました。貴方が嫌がることはしません」
     透、腕組みを解く。
    透「そういえば手は洗わないのか?」
    栄太「手を繋がないことになったので別にいいかな、と」
    透「今すぐ戻れ」
  • 11

    20240902(月)03:21
    ※栄太は政治をウォッチするのが趣味です。
    ※政局について語っているところは適当です。信用しないでください。

     栄太の執務室にて。
     栄太、自分の席で座っている。
     知久、栄太のデスクの前で立っている。
    栄太「トミー、私が本部を離れている間は、貴方にここを任せるって言いましたよね」
    知久「うん、そやな」
    栄太「私はトミーを信じているんですよ。貴方なら的確な決断ができるはずです。もう少し責任を自覚してください」
    知久「わかった、ごめん。ところで次の自民党の総裁選、栄太の予想はどうなん?」
    栄太「そうですね、まだ誰が立候補するのかさえ確定していませんからね。まずは推薦人を集められるかどうかですよね。でも小泉進次郎が有力かなって思います。ただ実績が足りないんだよな…」
    知久「石破は?」
    栄太「石破茂は議員からは人気ないんですよね。ただし党員の人気は高いので、そこは無視できないところですよね。ここで失敗したら政権交代の可能性もあるわけですし」
    知久「立民の代表選も近いんやっけ?」
    栄太「はい、こっちは枝野幸男か野田佳彦か…たぶん野田だろうな」
     栄太、しばらく語り続ける。
     知久、ズボンのポケットからスマートフォンを取り出す。
     知久、スマートフォンでSNSを閲覧する。
    栄太「そういうわけで今日も政治は熱いんですよ。ええと、何の話でしたっけ?」
     知久、スマートフォンから顔を上げて、
    知久「何やったっけ? 忘れるってことは大したことなかったんやろ」
    栄太「それもそうですね。では仕事に戻りましょうか。早く帰りたいですし」
    知久「ほな、俺もそろそろ」
     知久、栄太の執務室から出る。
     栄太、机に積み重なっている書類に目をやる。
    栄太「ちゃう、政治の話がしたいんちゃうねん」
     栄太、立ち上がり、慌てて廊下に出る。
     栄太、周囲を見回すが、廊下には誰もいない。
    栄太「(声を張り上げて)ちょっと、トミー! 私に仕事を押し付けたこと、後でしっかり説教しますからね!」
  • 10

    20240822(木)18:58
    ※真澄はトランスジェンダーの女性、京介はシスジェンダーの男性です。

     真澄の部屋にて。
    真澄「もし私が戸籍でも女性になったら、結婚とか考える?」
    京介「いきなり何だ?」
    真澄「特例法の手術要件がなくなったから、私も申し立てれば性別変更できるはずでしょ。それって結婚できる可能性があるってことだよね」
    京介「そういうことになるが。しかし結婚は家父長制の象徴だと言ってなかったか?」
    真澄「うん、そうだよ。私は結婚制度に反対してるけど、キョンの気持ちも聞きたいなって」
    京介「結婚できないものだと思っていたから、今まで考えたことがなかったな…」
    真澄「だよね。そんな日が来るなんて思わなかったよね」
     京介、少し考えてから、
    京介「正直なところ今は必要性を感じないな。結婚して何か得するわけでもないからな」
    真澄「大してメリットないよね」
    京介「いずれ事情が変わったときに検討すればいいんじゃないかくらいに考えている」
    真澄「私もそんな感じ。それまでに選択的夫婦別姓が導入されてればいいんだけどね」
    京介「そうだな。真澄にとっては負担になるからな」
    真澄「えっ、キョンが名字を変えるんでしょ。何で私が変えるのが前提になってるの?」
    京介「いや、別に俺が変えてもいいんだが…」
    真澄「やっぱり別姓にしたいよね。さらに同性婚も認められて、みんなでハッピーになれたらいいのに」
    京介「そうなったら俺、真澄、行方、相良さんで合同で結婚式でもやるか」
    真澄「(笑って)それ、いいね。そういう結婚式なら楽しいかも」
  • 9

    20240802(金)21:28
     居酒屋にて。
     透、栄太、知久、成美、和真は飲食を終えたところ。
     空いた皿やコップが、テーブルの上に並んでいる。
     栄太、伝票を確認してから、スマホのアプリで計算する。
    栄太「それぞれ××××円ずつですかね」
     成美、ボディーバッグを開け、中に手を突っ込んでから、
    成美「やべぇ、財布を忘れた」
    栄太「ではPayPayで支払います。スマホは持ってるでしょう?」
     成美、カバンの中を探すふりをして、
    成美「スマホも忘れちまったかもしれねぇ…」
    透「(苦笑して)さっき見てただろ」
    和真「もう観念しなよ」
    栄太「仕方ありませんね。構いませんよ、後で請求するだけなので。全体の半額を払ってもらいますね」
    知久「ありがとう。ゴチになるわ」
    成美「待って、わかったから! ちゃんと払うよ」
     成美、ボディーバッグからスマホを取り出す。
    栄太「わかればよろしい」
     栄太、スマホでアプリを操作し、画面にQRコードを表示させる。
     透、知久、成美、和真、スマホでQRコードを読み取る。
    知久「成美、残念やったな」
    成美「別に食い逃げするつもりはないんだぜ。本当に財布を忘れただけで」
    和真「いつも外食するときだけ財布を忘れるんだよね?」
    成美「ちゃんと他のところでも忘れてるし。この前は映画館でも忘れただろ」
    知久「もっとあかんやん」
  • 8

    20240715(月)21:21
    ※リカルド(歩)とマルセロ(昴)はいとこ。リカルドはブラジル人、マルセロはブラジルと日本にルーツがあるので、お互いをブラジリアン・ネームで呼び合っています。

     昴の部屋のリビングにて。
     昴、歩、ソファーに座って喋っている。
    昴「リカルドくん、アイス␣食べます?」
    歩「うん、ありがとう」
     昴、立ち上がり、リビングから去る。
     昴、アイスバーとカップアイスを持って戻ってくる。
     昴、歩にアイスバーを渡す。
    歩「ありがとう」
     歩、アイスを受け取る。
     昴、ソファーに座り、カップアイスを開ける。
     歩、アイスバーの包装を取ろうとするが、アイスに引っ付いてうまく剥がせない。アイスは変形している。
    歩「マルセロ、これって一度␣溶けたやつだよな?」
     昴、アイスを食べながら、
    昴「はい、そうです。この時期にアイスを買うと、家に着くまでに溶けちゃうんですよね」
     歩、昴のアイスを見て、
    歩「俺もそっちがいいんだけど…」
    昴「ダメ。お客さんが来たときに食べてもらわないと、いつまで経ってもなくならないじゃないですか」
    歩「自分で食べなよ」
    昴「僕のお金で買ったんです。自分が食べたい方を食べます」
    歩「マルセロはそういう奴だよな…」
     歩、何とか包装を取り外し、アイスを口に運ぶ。アイスが変形しているので食べづらそう。
    昴「それ、おいしいんですか?」
    歩「おいしいよ。きっと溶ける前の方がおいしかっただろうけど」
    昴「こっちはおいしいですよ」
    歩「そうだろうな」
     歩、昴、アイスを食べ終える。
    昴「あっ、飴も食べます?」
    歩「それ、溶けた飴だよな? だったらいらないよ」
     昴、舌打ち。
    昴「何でバレたんですか」
    歩「何でバレないと思ったんだよ」
  • 7

    20240709(火)04:39
    ※栄太はTSGのリーダーです。仕事でもプライベートでも頼れる人です。
    ※瑞希は金銭感覚に問題あり。

     深夜のコンビニにて。
     栄太、コンビニに入る。
    瑞希「(怠そうに)いらっしゃいませ」
     栄太、探すように店内を見回してから、声がする方へ向かう。
     瑞希、品出しをしている。棚に向かっているので、栄太の方は見ていない。
     栄太、瑞希の背後から、
    栄太「寺田さん、こんなところで何やってるんですか?」
     瑞希、顔を上げる。
    瑞希「栄ちゃんけ… ここやったら見つからへんと思うたんやけどな」
    栄太「運が悪かったですね。友人と飲みに行った帰りでして。ところで寺田さん、副業禁止の規則は知っていますね?」
    瑞希「おう、知ってんで」
    栄太「わかっててやったということですね? 生活するだけの十分な給料はあるはずですが」
    瑞希「(はっきりしない口調で)一日でも早く借金を何とかしたくて…」
     入店のチャイムが鳴る。
    瑞希「(入り口の方へ)いらっしゃいませ」
    栄太「ここで話しても仕方ありませんね。仕事が終わったら、私の執務室まで来てください。今日は朝まで待機しておきます」
    瑞希「わかった」
    栄太「できる限りのサポートは致します。ではお仕事␣頑張ってください」
    瑞希「ありがとう」
     栄太、店内を見て回る。
     瑞希、レジに向かう。
  • 6-2

    20240707(日)03:29
    ※マリカとは尚人の猫のこと、チューイとは知久の猫のことです。
    ※マリカは普段は無愛想です。

     尚人の部屋のリビングにて。
     猫がオットマンの上でくつろいでいる。
     尚人、知久、床に座り、猫を眺めている。
    知久「マリカ、めっちゃファンサービスしてくれるやん」
    尚人「今日は機嫌ええみたいやな。ちょっと待って、今やったら写真␣撮らせてくれるかも」
     尚人、床に手を伸ばし、スマホを探す。
    尚人「あれ? スマホは?」
     知久、床を見回して探す。
    知久「ちょっと見当たらへんな。俺ので撮ろうか?」
    尚人「どっちにしろ後で探さなあかんし、俺のスマホに電話してくれへん?」
    知久「ええよ」
     知久、スマホを操作し、尚人のスマホに電話する。
     オットマンの方から着信音がする。
     猫がびっくりして跳び上がり、リビングから走り去る。
     猫がいなくなったオットマンの上で、尚人のスマホが鳴っている。
     尚人、きょとんとした顔。
     知久、電話を切る。
     知久、立ち上がり、尚人のスマホを取ってくる。
     知久、尚人にスマホを渡しながら、
    知久「とりあえずスマホは見つかったで」
     尚人、スマホを受け取って、
    尚人「ありがとう」
    知久「シャッターチャンスは逃してもうたな」
    尚人「そやな。そんなにうまくはいかへんみたい」
     知久、尚人の隣りに座り、自分のスマホを操作しながら、
    知久「代わりにチューイの写真でも見る?」
    尚人「うん、見る」
     尚人、知久のスマホを覗き込む。
     知久、尚人、写真を見ながら、
    尚人「ところでチューイってどういう意味なん? 軍人の階級?」
    知久「それ、よう言われるんやけどちゃうねん。スター・ウォーズって観たことある?」
    尚人「あっ、わかった。チューバッカのことや」
    知久「そう、それ。マリカはどういう意味なん?」
    尚人「アラビア語で女王のことやで」
    知久「なるほど、納得やな」
  • 6

    20240707(日)03:28
     歩の部屋のリビングにて。
     歩、ソファーで寝転がりながら、スマホで釣りの動画を見ている。
     スマホに勇の名前が表示され、着信音が鳴る。
     歩、電話に出る。
    歩「もしもし?」
    勇「リカルド、ちょっとお願いがあるんですけど」
    歩「どうしたの?」
    勇「僕のスマホに電話してくれませんか?」
    歩「えっ?」
    勇「スマホが見当たらないんですよね。電話して鳴らしてくれませんか?」
     歩、スマホの画面を見て、電話番号を確認する。勇のスマホからかかっているようだ。
    歩「どこから電話してるの?」
    勇「僕の部屋からです。部屋の中で紛失しちゃって」
    歩「さっき電話番号を確認したら、勇のスマホからかかってることになってるんだけど…」
    勇「えっ、あれ?」
     勇の部屋にて。勇、自分のスマホを確認する。
    勇「あはは、自分で持ってました。さっきのは忘れてください」
    歩「まあ、そういう日もあるさ」
  • 5

    20240629(土)05:03
    ※勇は福島県猪苗代町の出身です。

     勇の部屋のリビングにて。
     勇、成美、お茶しながら雑談している。
     成美、壁に飾ってある額縁に気付き、指差す。
    成美「あれ、何?」
     額縁の中に飾られているのは、野口英世の千円札。
    勇「ああ、あれですか?」
     勇、立ち上がって壁まで行き、額縁を取り外す。
     勇、額縁を持って戻ってくる。
    勇「千円札ですよ」
    成美「それは見たらわかるよ。何で千円札なんか飾ってんの?」
    勇「そろそろ千円札が野口英世から変わってしまいますので。野口英世がお札だったことを記念するために、こうして飾っておこうかと」
    成美「そんなに野口英世をリスペクトしてんの?」
    勇「もちろん。野口英世は猪苗代の英雄ですよ。まさかご存じないんですか?」
    成美「知らねぇよ。歴史人物の出身地なんていちいち覚えてねぇよ」
    勇「では覚えて帰ってくださいね。野口英世の出身地は福島県猪苗代町です」
    成美「わかったよ。覚えてやるよ」
    勇「何なら星さんの部屋にも飾ります? 新札、まだありますよ」
    成美「千円札は欲しいけど、飾るかどうかはわかんねぇ」
    勇「それではあげられませんね。ちゃんと飾ってるかどうか、3日に一回は見に行きますからね」
    成美「現金として使えねぇならいらねぇよ」
    勇「でも現物は飾らなくても、心にはしっかり飾っといてくださいね。しばらく3日に一回は、野口英世の話をしますから」
  • 4

    20240629(土)03:25
    ※京介と真澄は京都の出身です。共通語を話しているように書いていますが、実際は京都弁で話しています。

     夏越の祓の日。京介の部屋のリビングにて。
     京介、真澄、テーブルを挟んで座っている。
     テーブルにはお茶と水無月が置かれている。
     真澄、京介、水無月を食べながら、
    真澄「キョンってこういう行事はちゃんとするよね」
    京介「両親が年中行事をしっかりやるタイプだったからな」
    真澄「実家、呉服屋だもんね。何だっけ、夏を無事に過ごせますようにって意味だっけ?」
    京介「これまでの半年の穢れを祓い、もう半年の無病息災を願う意味があるそうだ」
    真澄「京都の夏って暑いから、昔は生き抜くの大変だったんだろうね」
    京介「冷房のなかった時代に、どうやって生きていたんだろうな」
    真澄「もう神頼みするしかないってことだよね」
    京介「俺は贅沢な時代に生きているわけだが、神にすがる気持ちはわかるな…」
    真澄「キョン、夏が苦手だもんね。だから夏越の祓はしっかりやるんだ?」
    京介「それもある」
    真澄「キョン、今年の夏も生き抜こうね… 去年より暑いらしいよ」
    京介「去年より!? それはマズい、本当に神頼みするしかないぞ…」
  • 3

    20240624(月)01:46
     夏。キャンプ場にて。
     TSG、タープの下でBBQをしている。
    知久「虫刺されの薬、誰か持ってへん?」
    勇「ありますよ」
     勇、ボディーバッグから軟膏のチューブを取り出す。
     勇、知久のチューブを渡す。
    知久「ありがとう」
     知久、横向きに座り直して、ズボンの裾をまくる。
     知久の脚にはいくつも虫刺されが。
    勇「あらら、かわいそうに」
     勇、虫除けのスプレーを振る。
     知久、前屈みになって薬を塗る。
    昴「だから僕のところには蚊が来なかったんですね。ありがとうございます」
    知久「昴の近くに行こか?」
    昴「やめてください。僕まで集られたらどうするんですか」
    透「俺、一ヶ所も噛まれてないな」
    栄太「透くんはいつもそうですよね。私は数ヶ所␣噛まれましたね」
    成美「足が臭かったら刺されるらしいぜ。ネットで見た」
    栄太「それは納得です。この靴、一度も洗ったことありませんからね」
    真澄「ということはトミーも…」
    知久「ちゃうで、栄太と一緒にせんといてや」