fragment
氷
2026/06/02 16:37○かき氷の専門店-中 昼
店内のインテリアはモダンで落ち着いた雰囲気。店は客で賑わっている。店員は忙しそうに動き回っている。
昴、勇、テーブルを挟み、向かい合って椅子に座っている。テーブルの上には空になった器が置かれている。
勇「おいしかったですね」
昴「おいしかったです」
勇「あんなに大きかったのにペロリといっちゃいました」
昴「ね? いけると言ったでしょう?」
勇「最近のかき氷はリッチですごいですね。かき氷といえばシロップをかけるだけという認識だったのに。本物の果物の味がしました」
昴「お祭りの屋台のやつで時代が止まってたんですね。(鼻で笑って)田舎者が」
勇「田舎者って… 確かに猪苗代が田舎なのは否定しませんが、貴方だって新潟の人でしょうが」
昴「失礼ですね。長岡はけっこう都会です、長岡駅の周辺だけですが」
勇「偉そうなこと言えないじゃないですか」
勇、腕を伸ばして伝票を手に取る。
勇、伝票を見る。「メロン 2200円」「フルーツミックス 2800円」と書いてある。
勇「2200円!? そんなにするんですか?」
昴「そういうものですよ。値段、見なかったんですか?」
勇「かき氷なのでてっきり1000円で収まるものかと… そうですよね、あれだけ果物をふんだんに使っていればそうなりますよね…」
昴「おいしいものはそれなりの値段がするということです。逃げますか?」
ちょうど店員が近くを通りかかって、二人の方をちらっと見る。
勇「(慌てたように)だ、ダメですよ! 何を言ってるんですか!? そんなことしたら犯罪ですよ! ちゃんとお金は持ってるので大丈夫です、支払えます」
昴「冗談だったのに」
勇「許される冗談とダメな冗談があるんです。善悪の区別くらいつけなさいよ」
昴、両手で耳を覆って、
昴「説教は聞きたくない」
勇「(呟くように)まったく…」
昴、手を下ろして、
昴「ところでお会計、とりあえず僕がPayPayで一括で支払いますよ。財布を出すのが面倒なので。後で半額を請求します」
勇「わかりました、ありがとうございます。ん? 半額?」
勇、再び伝票を見る。
勇「丹羽さんの方が高いじゃないですか! 半額にしたら僕が損でしょ!」
昴、舌打ちする。
昴「バレたか」
勇「バレなかったらやるつもりだったんですか」
昴「これくらい悪戯の範疇ですよ。たった300円の誤差じゃないですか」
勇「悪戯の範疇? 僕とは感覚が大きく異なるようですね。僕の中では詐欺に近いですけどね、それ」
昴「融通が利かないな」
勇、大きくため息をついて、
勇「そんなんじゃ次からご一緒しませんからね」
昴「(ニタニタと笑って)僕にはわかる、相良さんがまた僕を誘うであろうことを。だって僕がお茶目でチャーミングだから… つまり僕はおちゃーめングということです」
少し間を置いて、
勇「悔しいですが貴方の言う通りですね。…ムカつくのに許してしまうのは何ででしょう?」
昴「それは僕がおちゃーめングだからです。さっきも言ったでしょう」
勇「気に入ったんですね、おちゃーめング」
昴、頷いて、
昴「はい」
勇、カバンを持って、
勇「もう行きますよ。これ以上_喋ってたら喧嘩になりそうだ」
昴「なりませんよ。僕は何をやっても許される、おちゃーめングなので」
勇「はい、はい、黙りなさい」
勇、昴、席を立つ。
❤️
店内のインテリアはモダンで落ち着いた雰囲気。店は客で賑わっている。店員は忙しそうに動き回っている。
昴、勇、テーブルを挟み、向かい合って椅子に座っている。テーブルの上には空になった器が置かれている。
勇「おいしかったですね」
昴「おいしかったです」
勇「あんなに大きかったのにペロリといっちゃいました」
昴「ね? いけると言ったでしょう?」
勇「最近のかき氷はリッチですごいですね。かき氷といえばシロップをかけるだけという認識だったのに。本物の果物の味がしました」
昴「お祭りの屋台のやつで時代が止まってたんですね。(鼻で笑って)田舎者が」
勇「田舎者って… 確かに猪苗代が田舎なのは否定しませんが、貴方だって新潟の人でしょうが」
昴「失礼ですね。長岡はけっこう都会です、長岡駅の周辺だけですが」
勇「偉そうなこと言えないじゃないですか」
勇、腕を伸ばして伝票を手に取る。
勇、伝票を見る。「メロン 2200円」「フルーツミックス 2800円」と書いてある。
勇「2200円!? そんなにするんですか?」
昴「そういうものですよ。値段、見なかったんですか?」
勇「かき氷なのでてっきり1000円で収まるものかと… そうですよね、あれだけ果物をふんだんに使っていればそうなりますよね…」
昴「おいしいものはそれなりの値段がするということです。逃げますか?」
ちょうど店員が近くを通りかかって、二人の方をちらっと見る。
勇「(慌てたように)だ、ダメですよ! 何を言ってるんですか!? そんなことしたら犯罪ですよ! ちゃんとお金は持ってるので大丈夫です、支払えます」
昴「冗談だったのに」
勇「許される冗談とダメな冗談があるんです。善悪の区別くらいつけなさいよ」
昴、両手で耳を覆って、
昴「説教は聞きたくない」
勇「(呟くように)まったく…」
昴、手を下ろして、
昴「ところでお会計、とりあえず僕がPayPayで一括で支払いますよ。財布を出すのが面倒なので。後で半額を請求します」
勇「わかりました、ありがとうございます。ん? 半額?」
勇、再び伝票を見る。
勇「丹羽さんの方が高いじゃないですか! 半額にしたら僕が損でしょ!」
昴、舌打ちする。
昴「バレたか」
勇「バレなかったらやるつもりだったんですか」
昴「これくらい悪戯の範疇ですよ。たった300円の誤差じゃないですか」
勇「悪戯の範疇? 僕とは感覚が大きく異なるようですね。僕の中では詐欺に近いですけどね、それ」
昴「融通が利かないな」
勇、大きくため息をついて、
勇「そんなんじゃ次からご一緒しませんからね」
昴「(ニタニタと笑って)僕にはわかる、相良さんがまた僕を誘うであろうことを。だって僕がお茶目でチャーミングだから… つまり僕はおちゃーめングということです」
少し間を置いて、
勇「悔しいですが貴方の言う通りですね。…ムカつくのに許してしまうのは何ででしょう?」
昴「それは僕がおちゃーめングだからです。さっきも言ったでしょう」
勇「気に入ったんですね、おちゃーめング」
昴、頷いて、
昴「はい」
勇、カバンを持って、
勇「もう行きますよ。これ以上_喋ってたら喧嘩になりそうだ」
昴「なりませんよ。僕は何をやっても許される、おちゃーめングなので」
勇「はい、はい、黙りなさい」
勇、昴、席を立つ。
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