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大阪は怖いところ
2026/03/31 14:33※勇は仕事では後輩です。これは勇が加入したばかりの頃です。
※勇は福島県の出身です。
○本部 休憩室-中 昼
昴、勇、テーブルを挟んで向かい合って座り、コーヒーを飲んでいる。
勇「ところで丹羽さんって関西の人じゃないですよね?」
昴「あっ、はい、違います。新潟ですね」
勇「一つお聞きしたいんですが、野球のチームはどこを応援してますか?」
昴「野球? 何故ですか?」
勇「とりあえず答えてくださいよ」
昴「それほど熱心に野球を観てるわけじゃないからな… 強いて挙げるなら楽天ですかね」
勇「楽天!? 本当ですか?」
昴、頷いて、
昴「はい、楽天が勝っていると嬉しいですね。大学が仙台だったので、何となく縁を感じます」
勇「僕も楽天のファンなんですよ。よかった、一人じゃなくて」
勇、昴に右手を差し出す。
昴も応じて右手を差し出し、勇と握手する。
昴「そこまで仲間意識を持たれても。試合を見に行ったりしたことはありませんよ」
勇「いいんですよ、同志がいるだけで。関西では心細くて」
勇、握手を解き、昴の方へ身を乗り出す。
勇「(声を潜めて)だってここは大阪ですよ。阪神を応援しないと睨まれるかもしれないじゃないですか」
昴「大袈裟な。僕、大阪に住んでしばらく経ちますけど、そこまで熱心なファンには会ったことありませんよ」
勇「普段はおとなしくしてるだけで、何かのきっかけで豹変したらどうするんですか」
昴「偏見も甚だしいですね。(ニヤリとして)でも…」
昴、周囲の様子を窺うように見回してから、
昴「(声を潜めて)桐生さんは熱狂的なタイガースファンらしいので気をつけた方がいいかもしれません」
勇「桐生さんですか?」
昴「はい、あくまで噂で聞いた話なんですけど、桐生さん、洗脳によってタイガースファンを増やす活動をしているらしくて。すでに100人は犠牲になっているとか」
勇「えっ、怖い…」
昴「だから楽天を応援していること、桐生さんには知られないようにしてくださいね」
勇「わかりました。ご忠告、ありがとうございます」
○本部 トイレ-中 夕方
トイレには小便器がなく、個室が並んでいる。
勇がトイレに入ると、ちょうど知久が個室から出てくる。
知久「お疲れさま」
勇、きっちり45度のお辞儀をして、
勇「お疲れさまです」
知久、立ち止まる。
知久「(苦笑して)えらい畏まってどないしてん」
勇、体を起こし、
勇「桐生さん、僕、ちゃんと阪神を応援しますからね」
知久「は? 何の話?」
勇「僕、大阪を裏切ったりしませんから」
知久「(怪訝そうな表情で)ちょっと文脈が見えへんのやけど… 大阪に移り住んだからって、応援するチームくらい好きにしたらええやん。俺が決めることちゃうし」
勇「良くない! 僕は大阪にしっかり染まるつもりです。大阪に骨を埋めようと思っています」
知久「大阪のこと怖いところやって思ってるかもしれへんけど、住んでたらたぶんわかるで、現実は想像よりつまらんってこと」
勇「どういうことでしょう?」
知久「そのままの意味やで。ところでトイレに行きたいんちゃうん? 行ったら?」
勇「はい、そうします」
❤️
※勇は福島県の出身です。
○本部 休憩室-中 昼
昴、勇、テーブルを挟んで向かい合って座り、コーヒーを飲んでいる。
勇「ところで丹羽さんって関西の人じゃないですよね?」
昴「あっ、はい、違います。新潟ですね」
勇「一つお聞きしたいんですが、野球のチームはどこを応援してますか?」
昴「野球? 何故ですか?」
勇「とりあえず答えてくださいよ」
昴「それほど熱心に野球を観てるわけじゃないからな… 強いて挙げるなら楽天ですかね」
勇「楽天!? 本当ですか?」
昴、頷いて、
昴「はい、楽天が勝っていると嬉しいですね。大学が仙台だったので、何となく縁を感じます」
勇「僕も楽天のファンなんですよ。よかった、一人じゃなくて」
勇、昴に右手を差し出す。
昴も応じて右手を差し出し、勇と握手する。
昴「そこまで仲間意識を持たれても。試合を見に行ったりしたことはありませんよ」
勇「いいんですよ、同志がいるだけで。関西では心細くて」
勇、握手を解き、昴の方へ身を乗り出す。
勇「(声を潜めて)だってここは大阪ですよ。阪神を応援しないと睨まれるかもしれないじゃないですか」
昴「大袈裟な。僕、大阪に住んでしばらく経ちますけど、そこまで熱心なファンには会ったことありませんよ」
勇「普段はおとなしくしてるだけで、何かのきっかけで豹変したらどうするんですか」
昴「偏見も甚だしいですね。(ニヤリとして)でも…」
昴、周囲の様子を窺うように見回してから、
昴「(声を潜めて)桐生さんは熱狂的なタイガースファンらしいので気をつけた方がいいかもしれません」
勇「桐生さんですか?」
昴「はい、あくまで噂で聞いた話なんですけど、桐生さん、洗脳によってタイガースファンを増やす活動をしているらしくて。すでに100人は犠牲になっているとか」
勇「えっ、怖い…」
昴「だから楽天を応援していること、桐生さんには知られないようにしてくださいね」
勇「わかりました。ご忠告、ありがとうございます」
○本部 トイレ-中 夕方
トイレには小便器がなく、個室が並んでいる。
勇がトイレに入ると、ちょうど知久が個室から出てくる。
知久「お疲れさま」
勇、きっちり45度のお辞儀をして、
勇「お疲れさまです」
知久、立ち止まる。
知久「(苦笑して)えらい畏まってどないしてん」
勇、体を起こし、
勇「桐生さん、僕、ちゃんと阪神を応援しますからね」
知久「は? 何の話?」
勇「僕、大阪を裏切ったりしませんから」
知久「(怪訝そうな表情で)ちょっと文脈が見えへんのやけど… 大阪に移り住んだからって、応援するチームくらい好きにしたらええやん。俺が決めることちゃうし」
勇「良くない! 僕は大阪にしっかり染まるつもりです。大阪に骨を埋めようと思っています」
知久「大阪のこと怖いところやって思ってるかもしれへんけど、住んでたらたぶんわかるで、現実は想像よりつまらんってこと」
勇「どういうことでしょう?」
知久「そのままの意味やで。ところでトイレに行きたいんちゃうん? 行ったら?」
勇「はい、そうします」
❤️