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選挙と誕生日と私
2024/11/07 17:00※栄太の誕生日は10月27日でした。
○社宅 パーティールーム 夜
2024年10月27日の夜。
栄太、知久、真澄、京介、勇、テーブルに着き、テレビを見ながら飲食している。
テレビには選挙特番が映っている。
瑞希、エコバッグを持って、パーティールームに入ってくる。
瑞希「栄ちゃん、誕生日やろ。おめでとう」
栄太「(微笑んで)ありがとうございます」
瑞希、椅子に座る。
瑞希「これ、やるわ」
瑞希、エコバッグから久世福のおつまみをいくつか取り出し、テーブルに置く。
栄太「有り難くいただきます」
瑞希、エコバッグからビールを取り出し、缶を開ける。エコバッグは床に置く。
瑞希「選挙はどや?」
栄太「大阪は維新が圧倒的ですね。公明さえ落ちています」
真澄「ここの選挙区も維新で決まったよ」
瑞希「やっぱり。そうやろうとは思うたけど… 他の地域は?」
栄太「事前に予想されていた通り、自民は苦戦していますね。かなり議席を減らしそうです」
真澄「裏金議員が次々と落ちておもしろいよ」
瑞希「それはええことや。誕生日に選挙があるなんて、栄ちゃんにとっては最高ちゃう?」
栄太「誕生日と被るなんて二度とないことでしょうからね」
知久「でも結果によっては最悪の誕生日になりかねんよな」
栄太「(笑って)それはありますね」
勇「茂呂さんの趣味って変わってますよね。選挙が好きだなんて」
栄太「正確には政局を追うのが好きなんです。スポーツを観戦するようなものと思えば、選挙特番も楽しめますよ」
勇「楽しむ余裕なんてないですよ、結果が心配になっちゃって」
栄太「私も一人の有権者なので、日本がどうなってしまうのか不安ではあるんですよ。だから複雑な気持ちなんです」
× × ×
深夜。
真澄、勇は部屋からいなくなっている。昴が加わっている。
テレビにはタブレットの画面がミラーリングされている。
知久、タブレットを操作して、NHKの選挙速報のサイトを見る。
知久「大阪、小選挙区は維新が制覇したみたい」
瑞希「ウソやん!?」
一同、テレビの画面を見る。
栄太「そうなる可能性は予想していましたが、本当に全勝するとは… 比例はどうなってます?」
知久、サイトの画面をスクロールして、比例代表の結果を表示させる。
栄太「でも維新は減ってるな… ヤバい、保守党と参政党が通ってもうてるやん」
京介「初めて聞く政党だな」
栄太「弱小政党ですからね。ただアレが当選すること自体が、LGBTQや外国人にとっては脅威なんですよ」
京介「そういう政党か… 何となく察した」
瑞希「栄ちゃんから見て、今回の結果はどうなん?」
栄太「どうやろ… 維新が全勝したのは悔しいですが、だからって自民に勝たせるんかって話になるわけで」
知久「どっちに転んでもモヤるよな」
栄太「どんな結果であっても何ともならないくらい、政治が行き詰まっていますからね」
昴「(独り言のように歌う)Happy Birthday to you. Happy Birthday to you. 」
栄太「えっ、今ですか?」
昴「(頷いて)はい。茂呂さんに選挙結果というプレゼントが届いたので、お祝いしてあげようと思いまして」
栄太「もう日付は変わりましたけど…」
昴「(歌う)Happy Birthday to you. 」
知久、瑞希、京介も加わり、
昴、知久、瑞希、京介「(歌う)Happy Birthday to you. Happy Birthday dear Eita. Happy Birthday to you. 」
昴「改めておめでとうございます」
昴、知久、瑞希、京介、拍手する。
栄太「どんな反応すればいいんですか、私」
知久「何やろ… 決意表明とか?」
栄太「そうですね… (少し考えてから)決まってしまったものは仕方ないので、我々にできることを精一杯やりましょう。次に投票する日まで、しっかり政府がやることを注視し、逆らうべきところは逆らう。この国の主権者は我々なんです。未来を良くするのも悪くするのも、市民が自分で選び取ることです。…こんな感じでいかがでしょう」
知久「完璧」
京介「政治家にうんざりしてどうでもよくなったとしても、諦めたらそこで民主主義終了だからな」
栄太「(笑って)そうですね。最後まで希望を捨てないようにしましょうね」
○社宅 パーティールーム 夜
2024年10月27日の夜。
栄太、知久、真澄、京介、勇、テーブルに着き、テレビを見ながら飲食している。
テレビには選挙特番が映っている。
瑞希、エコバッグを持って、パーティールームに入ってくる。
瑞希「栄ちゃん、誕生日やろ。おめでとう」
栄太「(微笑んで)ありがとうございます」
瑞希、椅子に座る。
瑞希「これ、やるわ」
瑞希、エコバッグから久世福のおつまみをいくつか取り出し、テーブルに置く。
栄太「有り難くいただきます」
瑞希、エコバッグからビールを取り出し、缶を開ける。エコバッグは床に置く。
瑞希「選挙はどや?」
栄太「大阪は維新が圧倒的ですね。公明さえ落ちています」
真澄「ここの選挙区も維新で決まったよ」
瑞希「やっぱり。そうやろうとは思うたけど… 他の地域は?」
栄太「事前に予想されていた通り、自民は苦戦していますね。かなり議席を減らしそうです」
真澄「裏金議員が次々と落ちておもしろいよ」
瑞希「それはええことや。誕生日に選挙があるなんて、栄ちゃんにとっては最高ちゃう?」
栄太「誕生日と被るなんて二度とないことでしょうからね」
知久「でも結果によっては最悪の誕生日になりかねんよな」
栄太「(笑って)それはありますね」
勇「茂呂さんの趣味って変わってますよね。選挙が好きだなんて」
栄太「正確には政局を追うのが好きなんです。スポーツを観戦するようなものと思えば、選挙特番も楽しめますよ」
勇「楽しむ余裕なんてないですよ、結果が心配になっちゃって」
栄太「私も一人の有権者なので、日本がどうなってしまうのか不安ではあるんですよ。だから複雑な気持ちなんです」
× × ×
深夜。
真澄、勇は部屋からいなくなっている。昴が加わっている。
テレビにはタブレットの画面がミラーリングされている。
知久、タブレットを操作して、NHKの選挙速報のサイトを見る。
知久「大阪、小選挙区は維新が制覇したみたい」
瑞希「ウソやん!?」
一同、テレビの画面を見る。
栄太「そうなる可能性は予想していましたが、本当に全勝するとは… 比例はどうなってます?」
知久、サイトの画面をスクロールして、比例代表の結果を表示させる。
栄太「でも維新は減ってるな… ヤバい、保守党と参政党が通ってもうてるやん」
京介「初めて聞く政党だな」
栄太「弱小政党ですからね。ただアレが当選すること自体が、LGBTQや外国人にとっては脅威なんですよ」
京介「そういう政党か… 何となく察した」
瑞希「栄ちゃんから見て、今回の結果はどうなん?」
栄太「どうやろ… 維新が全勝したのは悔しいですが、だからって自民に勝たせるんかって話になるわけで」
知久「どっちに転んでもモヤるよな」
栄太「どんな結果であっても何ともならないくらい、政治が行き詰まっていますからね」
昴「(独り言のように歌う)Happy Birthday to you. Happy Birthday to you. 」
栄太「えっ、今ですか?」
昴「(頷いて)はい。茂呂さんに選挙結果というプレゼントが届いたので、お祝いしてあげようと思いまして」
栄太「もう日付は変わりましたけど…」
昴「(歌う)Happy Birthday to you. 」
知久、瑞希、京介も加わり、
昴、知久、瑞希、京介「(歌う)Happy Birthday to you. Happy Birthday dear Eita. Happy Birthday to you. 」
昴「改めておめでとうございます」
昴、知久、瑞希、京介、拍手する。
栄太「どんな反応すればいいんですか、私」
知久「何やろ… 決意表明とか?」
栄太「そうですね… (少し考えてから)決まってしまったものは仕方ないので、我々にできることを精一杯やりましょう。次に投票する日まで、しっかり政府がやることを注視し、逆らうべきところは逆らう。この国の主権者は我々なんです。未来を良くするのも悪くするのも、市民が自分で選び取ることです。…こんな感じでいかがでしょう」
知久「完璧」
京介「政治家にうんざりしてどうでもよくなったとしても、諦めたらそこで民主主義終了だからな」
栄太「(笑って)そうですね。最後まで希望を捨てないようにしましょうね」