竜宮城は右の果てに

※和真は難聴の当事者です。



知久「俺、もう帰る。付き合ってられへん。栄太!」
 知久、周囲をキョロキョロと見回す。ドローンは見当たらない。
知久「どこや、栄太?」
 知久、しばらくキョロキョロしてから、ライトセーバーを地面に投げ捨て、
知久「F***! あいつもグルやったんか! (がっくりした様子で)そうやんな…最初からそういう振る舞いやったな…」
瑞希「お前、逃げる気け?」
 成美、和真、尚人、瑞希、知久を取り囲む。
和真「俺、拷問は得意だよ。共感性に欠けてるからね。手始めに爪を一枚ずつ剥がそうか」
知久「和真が言うてると本気か冗談かわからへん…」
真澄「待って、処罰するかどうかは私が決める。あれを持って来て」
 屏風の後ろから黒子(栄太)が現れる。黒子はカゴを持っている。
 黒子、真澄の横に跪き、カゴを差し出す。
 真澄、カゴの中からダブルクリップを拾い上げる。
真澄「ここでは忠誠心が全て。私に忠誠心があるなら、どんな命令でも従うはず。それが乳首をクリップで挟むことであっても」
 成美、尚人、瑞希、歩、動揺した様子で顔を見合わせる。
歩「そんな…」
瑞希「嘘やろ…」
和真「何て言ったの?」
成美「(ジェスチャーを交えながら)あれで乳首を挟めって」
和真「事前の打ち合わせでは、パンストを頭に被ることになってなかった?」
尚人「そのはずなんやけど…」
歩「真澄、そんな話は聞いてないよ」
真澄「パンストじゃ楽にクリアできちゃうから、直前で乳首に変更になったんだよね」
 真澄、黒子からカゴを受け取る。
 黒子、素早く立ち上がり、屏風の裏にはける。
 真澄、カゴを持って、立ち上がり、
真澄「まずは先輩から手本を見せてもらうからね。横一列に並んで、服を脱いで」
瑞希「(縋るような目で)乙姫さまは優しく寛容な方と存じております。どうかご容赦していただけないでしょうか?」
真澄「瑞希の忠誠心はそんなものなの? できるよね? 収監されたくないもんね?」
瑞希「(引きつった表情で)もちろんです。乙姫さまの命令なら何なりと」
真澄「(微笑んで)それでいいの」
 歩、成美、和真、尚人、瑞希、乙姫の前に横一列に並ぶ。
成美「トミー、お前もさっさと並べ!」
知久「ホンマにやるん?」
尚人「残念ながらNOという選択肢はなさそうや」
 知久、成美に腕を引っ張られて、成美の横に立たされる。
 歩、成美、和真、尚人、瑞希、ためらいつつも上半身の衣服を脱ぐ。
 真澄、台から降りる。
 真澄、一同を見定めるように眺め、
真澄「最初は瑞希から」
瑞希「何でや!?」
真澄「さっき忠誠心が揺らいでたから。新人に忠誠心というものを教えてあげて」
 瑞希、きつく目を閉じる。
 真澄、カゴからダブルクリップを取り出し、瑞希の乳首に挟む。
瑞希「ぎゃー!」
 瑞希、身を屈め、絶叫する。
真澄「どう?」
瑞希「(声を絞り出すように)ありがとうございます、嬉しいです」
真澄「どんどんいくよ」
 真澄、続いて成美、和真、尚人、歩の乳首にもダブルクリップを挟んでいく。
 成美、和真、尚人、瑞希、歩、叫びながらのたうち回っている。
尚人「貴方に支配されて幸せです、your majesty」
歩「身も心も貴方のものです」
知久「阿鼻地獄ってこんな感じなんやろな…」
真澄「もう取っていいよ」
 成美、和真、尚人、瑞希、歩、すぐにダブルクリップを外す。
 真澄、ダブルクリップを回収する。
 真澄、知久の前に立ち、
真澄「次はトミーの番だよ」
知久「絶対にやらへん」
真澄「やるか収監されるかの二択になるけど?」
知久「それやったら収監される方を選ぶわ」
真澄「本当に収監されることになるよ? いいの?」
知久「望むところや」
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