一寸の虫にも五分の魂
※透と栄太は付き合っているような付き合っていないような関係です。
※透は虫が好きです。
※透は過去に心室細動から生還したことがあります。
○寮 透の部屋 寝室-中 夜
部屋は北欧風の明るく落ち着いた雰囲気。ローボードにはスピーカーが置かれていて、部屋にはクラシック音楽が流れている。
透、アームチェアにゆったりと座り、本を読んでいる。服装はルームウェア。アームチェアの横にはサイドテーブルがあり、その上にスマホが置かれている。
スマホの着信音が鳴る。画面には「茂呂 栄太」の文字。
透、本を膝に置き、腕を伸ばしてスマホを手に取る。
透、電話に出る。
透「何?」
○寮 廊下 夜
栄太、自室の前に立って、スマホを耳に当てている。服装はルームウェア。怯えたような表情。
栄太「透くん、起きてたんですね。すみません、こんな遅くに」
(以下、カットバック)
透「どうした?」
栄太「部屋にゴキブリが出たんです」
透「で?」
栄太「トイレに行こうとしたら、廊下で奴と出会して… それからどこに行ったかわからなくなって…」
透「(鼻で笑って)あっ、そう」
栄太「こんなことで呼び出して申し訳ないんですけど、退治していただけませんか?」
透「俺が? 今から? ほっといてもしばらく出てこないよ、向こうだって人間と会いたくないんだから」
栄太「無理! このままじゃ安心して眠れないんです!」
透、舌打ちする。
透「わかったよ、仕方ないな… 今から行くよ」
栄太「はい、ありがとうございます。今、部屋の前にいるので」
透「了解」
透、電話を切る。
(カットバック、終わり)
○寮 廊下 夜
栄太、スマホを左手に持ち、自室の前に立っている。
透、階段がある方から歩いてくる。
栄太、顔の前で手を合わせて、
栄太「透くん、ありがとうございます」
透、栄太の近くで立ち止まり、
透「(鼻で笑って)ゴキブリが怖くて入れないの?」
栄太「はい、そうなんです」
透「ゴキブリの何が怖いんだよ。何もしてこないだろ」
栄太「そういう問題じゃないんですって。あの見た目と動きはダメでしょ」
透「よくわからないな… 人間の方が圧倒的に強いのに」
○寮 栄太の部屋-中 夜
部屋の廊下には雑誌や新聞紙の束がいくつかと、シューズラックが置かれている。
透、玄関のドアを開けて、部屋の中に入る。
透「廊下にいたんだって?」
栄太「そうです」
透、玄関で靴を脱ぎ、廊下に上がる。栄太は玄関で立っている。
透、紙の束を順に持ち上げながら、
透「ゴキブリはこういうところが好きそうだな」
栄太「いました?」
透「いないな」
○同 リビング-中 夜
インテリアは黒を基調としたもの。
床やテーブルには服、書籍、ぬいぐるみ、雑貨が散乱している。
透、物をどかしながらゴキブリを探している。
栄太、ドアの近くに立っている。
栄太「何か叩くもの_要りますか?」
透「要らないかな」
栄太「素手で行くんですか?」
透「そっちの方が早いからな」
栄太「えっ、ゴキブリですよ?」
透「後で手さえ洗えばいいだろ」
栄太「すごいですね…」
少し間を置いて、
栄太「見つかりませんか?」
透「これ、探すのは難しそうだな。たぶんどこか奥の方に隠れてるだろ」
栄太「そんな… 私、どうすればいいんでしょう?」
透、栄太の方を向いて立つ。
透「(苦笑して)どうすればって… 普通に寝ればいいんじゃないか?」
栄太「だから無理なんですって、奴と一緒に寝るのは」
透「何で無理なの?」
栄太「何でって… 私が聞きたいですよ。どうしてゴキブリが平気なんですか」
透「むしろ平気じゃない理由がわからないな。あいつらはただ歩いてるだけだ」
栄太「歩いてるだけ… 透くんとはわかり合えそうもありません」
透「じゃ、もう帰るよ」
栄太、ドアを塞ぐようにして立つ。
栄太「ダメ、ダメです! 私を一人にしないで!」
透「だけどこっちこそどうすればいいんだよ?」
栄太「ここで寝てください」
透「嫌だね、こんな汚い部屋」
栄太「さっきゴキブリを素手で掴もうとしてたじゃないですか。衛生観念がおかしいでしょ」
透「ゴキブリは常に自分を清潔に保ってるんだぞ。栄太とは違う」
栄太「透くん、明らかに私よりゴキブリの味方してません?」
透「そんなことはないけど」
栄太「…そうだ、今夜は透くんの部屋に泊まってもいいですか?」
透「(苦笑して)いいけど…」
栄太「ありがとうございます」
透「どうせそれしか選択肢ないんだろ」
※透は虫が好きです。
※透は過去に心室細動から生還したことがあります。
○寮 透の部屋 寝室-中 夜
部屋は北欧風の明るく落ち着いた雰囲気。ローボードにはスピーカーが置かれていて、部屋にはクラシック音楽が流れている。
透、アームチェアにゆったりと座り、本を読んでいる。服装はルームウェア。アームチェアの横にはサイドテーブルがあり、その上にスマホが置かれている。
スマホの着信音が鳴る。画面には「茂呂 栄太」の文字。
透、本を膝に置き、腕を伸ばしてスマホを手に取る。
透、電話に出る。
透「何?」
○寮 廊下 夜
栄太、自室の前に立って、スマホを耳に当てている。服装はルームウェア。怯えたような表情。
栄太「透くん、起きてたんですね。すみません、こんな遅くに」
(以下、カットバック)
透「どうした?」
栄太「部屋にゴキブリが出たんです」
透「で?」
栄太「トイレに行こうとしたら、廊下で奴と出会して… それからどこに行ったかわからなくなって…」
透「(鼻で笑って)あっ、そう」
栄太「こんなことで呼び出して申し訳ないんですけど、退治していただけませんか?」
透「俺が? 今から? ほっといてもしばらく出てこないよ、向こうだって人間と会いたくないんだから」
栄太「無理! このままじゃ安心して眠れないんです!」
透、舌打ちする。
透「わかったよ、仕方ないな… 今から行くよ」
栄太「はい、ありがとうございます。今、部屋の前にいるので」
透「了解」
透、電話を切る。
(カットバック、終わり)
○寮 廊下 夜
栄太、スマホを左手に持ち、自室の前に立っている。
透、階段がある方から歩いてくる。
栄太、顔の前で手を合わせて、
栄太「透くん、ありがとうございます」
透、栄太の近くで立ち止まり、
透「(鼻で笑って)ゴキブリが怖くて入れないの?」
栄太「はい、そうなんです」
透「ゴキブリの何が怖いんだよ。何もしてこないだろ」
栄太「そういう問題じゃないんですって。あの見た目と動きはダメでしょ」
透「よくわからないな… 人間の方が圧倒的に強いのに」
○寮 栄太の部屋-中 夜
部屋の廊下には雑誌や新聞紙の束がいくつかと、シューズラックが置かれている。
透、玄関のドアを開けて、部屋の中に入る。
透「廊下にいたんだって?」
栄太「そうです」
透、玄関で靴を脱ぎ、廊下に上がる。栄太は玄関で立っている。
透、紙の束を順に持ち上げながら、
透「ゴキブリはこういうところが好きそうだな」
栄太「いました?」
透「いないな」
○同 リビング-中 夜
インテリアは黒を基調としたもの。
床やテーブルには服、書籍、ぬいぐるみ、雑貨が散乱している。
透、物をどかしながらゴキブリを探している。
栄太、ドアの近くに立っている。
栄太「何か叩くもの_要りますか?」
透「要らないかな」
栄太「素手で行くんですか?」
透「そっちの方が早いからな」
栄太「えっ、ゴキブリですよ?」
透「後で手さえ洗えばいいだろ」
栄太「すごいですね…」
少し間を置いて、
栄太「見つかりませんか?」
透「これ、探すのは難しそうだな。たぶんどこか奥の方に隠れてるだろ」
栄太「そんな… 私、どうすればいいんでしょう?」
透、栄太の方を向いて立つ。
透「(苦笑して)どうすればって… 普通に寝ればいいんじゃないか?」
栄太「だから無理なんですって、奴と一緒に寝るのは」
透「何で無理なの?」
栄太「何でって… 私が聞きたいですよ。どうしてゴキブリが平気なんですか」
透「むしろ平気じゃない理由がわからないな。あいつらはただ歩いてるだけだ」
栄太「歩いてるだけ… 透くんとはわかり合えそうもありません」
透「じゃ、もう帰るよ」
栄太、ドアを塞ぐようにして立つ。
栄太「ダメ、ダメです! 私を一人にしないで!」
透「だけどこっちこそどうすればいいんだよ?」
栄太「ここで寝てください」
透「嫌だね、こんな汚い部屋」
栄太「さっきゴキブリを素手で掴もうとしてたじゃないですか。衛生観念がおかしいでしょ」
透「ゴキブリは常に自分を清潔に保ってるんだぞ。栄太とは違う」
栄太「透くん、明らかに私よりゴキブリの味方してません?」
透「そんなことはないけど」
栄太「…そうだ、今夜は透くんの部屋に泊まってもいいですか?」
透「(苦笑して)いいけど…」
栄太「ありがとうございます」
透「どうせそれしか選択肢ないんだろ」