胡蝶の夢
ふと目を覚ますとそこは、何も無く、ただ広いだけの荒野であった。
手元には日本刀、服装はパンツスーツ。視界を遮っているのは、今はもう掛ける事の無くなった眼鏡のフレームだろう。
随分と、懐かしい恰好をしている。
軽く自分の手を見下ろしてそう思った。
しばらく宛もなくふらふらとしながら歩き回っていると、背後で突然、不自然に空間が揺らいだ。
低級悪魔のお出ましである。
数は十から二十程度。この程度、##NAME1##にとっては何の問題も無い。
「っふ、私の前に姿を顕すのなら、もう少し格を上げるか、量を増やしてからになさい。」
どうなろうと、一刀の元に切り伏せて上げるから。
そう呟いて、日本刀の柄に手をかける。
軽やかな音を立てて、磨き上げられた刀身が露わになった。
「おいで。憐れな悪魔を、刈り取ってあげましょう。」
##NAME1##が日本刀を構える。
それと同時に、霞の様な悪魔が##NAME1##に向かって突撃した。
「グルル……」
地を揺らすような不快な唸り声を上げるそれに、日本刀を一閃。
その一閃で、約半数の悪魔が消滅した。
かなり上位の死神しか習得出来ないとされる、ひと薙ぎで広範囲に影響を与える攻撃。
いとも簡単にそれを使いこなし、第2、第3と振れば、残る悪魔は片手で数えられる程になっていた。
「ほぉ、中々の使い手の様じゃないか。お前は誰だ?」
突然背後から聞こえた声。
気配も何もしなかったため、慌てて後ろを振り返れば、私の肩口に銀糸が垂れ下がっていた。
いや、正確には誰かの長い銀の髪の毛が、私の肩に掛かっていた。
「あの、貴方は?」
「小生は…そうだな。シルヴェスター、死神派遣協会回収課所属の死神だ。」
シルヴェスターという名と銀の髪、そして回収課というキーワードでピンと来た。
この人は、私の先輩で、死神界の伝説〈レジェンド〉とまで呼ばれた存在だ。
_______そして、今の英国で、葬儀屋を営んでいるアンダーテイカーの過去の姿だろう。
「私は、…元、死神派遣協会回収課所属の##NAME1##と言います。」
私は剥き出しにしていた日本刀を納めて、くるりと向きを変えて頭を下げる。
お会いできて光栄です、そういって笑えば、シルヴェスターは眉を顰めた。
「お前、まだ低級が残ってるのを知っていて小生の方を向いたのか?馬鹿じゃないのか?」
そういって、肩に担いだ大鎌の先で残る低級を指し示す。
「この程度、私にとっては何の問題も有りませんので。…心配して下さったのですか?」
低級を一瞥し、再び日本刀を一閃。それだけで残っていた低級は跡形も無く消えた
「そんなわけ無いだろう。心配などしていたのなら、お前が片付けるより先に小生がデスサイズで狩っている。」
ふん、と鼻を鳴らして顔を背けるシルヴェスター。
葬儀屋の彼とは似ても似つかないなぁ、そんな事を考えながら私は、シルヴェスターの横に並んだ。
「おい、何故お前は小生の横に並ぶんだ。」
「行くところが無いんです。暫くシルヴェスターの元でお世話になろうかと…」
仕事の手伝いでも、家事などの雑用でも、何でもします。
そう言えばシルヴェスターは、首を傾げ私へ視線を投げ掛けた。
「そう言えばお前は元死神派遣協会回収課、そう言っていたな?どういう意味だ?」
手元には日本刀、服装はパンツスーツ。視界を遮っているのは、今はもう掛ける事の無くなった眼鏡のフレームだろう。
随分と、懐かしい恰好をしている。
軽く自分の手を見下ろしてそう思った。
しばらく宛もなくふらふらとしながら歩き回っていると、背後で突然、不自然に空間が揺らいだ。
低級悪魔のお出ましである。
数は十から二十程度。この程度、##NAME1##にとっては何の問題も無い。
「っふ、私の前に姿を顕すのなら、もう少し格を上げるか、量を増やしてからになさい。」
どうなろうと、一刀の元に切り伏せて上げるから。
そう呟いて、日本刀の柄に手をかける。
軽やかな音を立てて、磨き上げられた刀身が露わになった。
「おいで。憐れな悪魔を、刈り取ってあげましょう。」
##NAME1##が日本刀を構える。
それと同時に、霞の様な悪魔が##NAME1##に向かって突撃した。
「グルル……」
地を揺らすような不快な唸り声を上げるそれに、日本刀を一閃。
その一閃で、約半数の悪魔が消滅した。
かなり上位の死神しか習得出来ないとされる、ひと薙ぎで広範囲に影響を与える攻撃。
いとも簡単にそれを使いこなし、第2、第3と振れば、残る悪魔は片手で数えられる程になっていた。
「ほぉ、中々の使い手の様じゃないか。お前は誰だ?」
突然背後から聞こえた声。
気配も何もしなかったため、慌てて後ろを振り返れば、私の肩口に銀糸が垂れ下がっていた。
いや、正確には誰かの長い銀の髪の毛が、私の肩に掛かっていた。
「あの、貴方は?」
「小生は…そうだな。シルヴェスター、死神派遣協会回収課所属の死神だ。」
シルヴェスターという名と銀の髪、そして回収課というキーワードでピンと来た。
この人は、私の先輩で、死神界の伝説〈レジェンド〉とまで呼ばれた存在だ。
_______そして、今の英国で、葬儀屋を営んでいるアンダーテイカーの過去の姿だろう。
「私は、…元、死神派遣協会回収課所属の##NAME1##と言います。」
私は剥き出しにしていた日本刀を納めて、くるりと向きを変えて頭を下げる。
お会いできて光栄です、そういって笑えば、シルヴェスターは眉を顰めた。
「お前、まだ低級が残ってるのを知っていて小生の方を向いたのか?馬鹿じゃないのか?」
そういって、肩に担いだ大鎌の先で残る低級を指し示す。
「この程度、私にとっては何の問題も有りませんので。…心配して下さったのですか?」
低級を一瞥し、再び日本刀を一閃。それだけで残っていた低級は跡形も無く消えた
「そんなわけ無いだろう。心配などしていたのなら、お前が片付けるより先に小生がデスサイズで狩っている。」
ふん、と鼻を鳴らして顔を背けるシルヴェスター。
葬儀屋の彼とは似ても似つかないなぁ、そんな事を考えながら私は、シルヴェスターの横に並んだ。
「おい、何故お前は小生の横に並ぶんだ。」
「行くところが無いんです。暫くシルヴェスターの元でお世話になろうかと…」
仕事の手伝いでも、家事などの雑用でも、何でもします。
そう言えばシルヴェスターは、首を傾げ私へ視線を投げ掛けた。
「そう言えばお前は元死神派遣協会回収課、そう言っていたな?どういう意味だ?」
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