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プロローグ

俯く私の視界に入ったのは、草臥れた白衣の裾。私にとって見慣れた物となったそれは、悪夢の様な時間が来ることを示していた。
カツン、と音を立てて止まった脚を見上げると、私を見下ろす硬質な紅の瞳と目が合った。
その男は、冷たい美貌を持った男であった。


「君が、異能者_##NAME1##かね?」

こくりと頷く。
すると、すっと音も無く白手袋の手が差し出された。

「君を迎えに来た。私の手を取りなさい。きっと後悔はさせない」

やんわりと細まった目が私を射る。
私が持ちうる選択肢は二つ。だが、男の目は私に一つの選択肢しか選ばせない、威圧的な雰囲気を放っていた。

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