四季彩り折々
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付き合ってからのお話です。
「名無しさん…」
「宗次郎…//」
二人きりの場所で。
向かい合いながら、宗次郎は名無しの背中に腕を回し。
名無しはその胸の中で彼を見上げていた。
――自分をまっすぐ見下ろす宗次郎の瞳に名無しは思わず赤面する。
まだ緊張を隠しきれない、とでもいうように揺れる眼差しだけれど彼に応えるように目を合わせた。
やがて近付く宗次郎の面構に名無しの心臓はこれでもかとばかりに脈打ち強張る。
けれど彼との――宗次郎との唇の距離が埋まるにつれて、観念するように彼の着物にぎゅっとしがみ付き、目を閉じるのであった。
しかし。
「…?」
いつもなら……
けれども、ぴたりと動きを止めた様子の宗次郎に気付き、名無しはそっと目を見開いた。
「宗次郎…?」
「名無しさん、今思ったんですけど。」
目の前でじっとこちらを見据える宗次郎に思わず瞬きを繰り返して、思わず。
「…それ今言わなくちゃいけないこと…?」
「大事なことですから。」
「う、うん…?」
なんだろう、と首を傾げる名無しに宗次郎は真剣な面持ちで言葉を続けた。
「…名無しさんからキスしてくださいよ。」
「は、はあ!?//」
「いつも僕からでしょ?たまにはいいじゃないですか。」
“あの時も”
“あ、あの時も”
“そうですよ、あの時も”と続けて具体的に告げる宗次郎。
「ど…どっちからでもいいじゃん…!(待って、恥ずかしい…///)」
「そうかもしれませんけど…」
不服なのか、宗次郎は言葉を続ける。
けれど少し声を低く落ち着いたものにして。
「でも僕だけがしたいみたいで。」
「!そんなことないよ!」
「…たまには、名無しさんからしてもらって…何て言えばいいのかな、名無しさんに求められてみたい…//」
そう告げて、そうっと名無しの様子を窺い見る目は少し照れたように甘いもので。
その瞳に見つめられる。
まるで「ダメ?」と言わんばかりの駄目押し。
「名無しさんから、キスしてもらえませんか?」
「…ま、まぁ…そういうことなら…私からするね…?//」
「ふふ、ちょろいなぁ。」
ぱっと明るくなった声音。そして宗次郎はにこにこと微笑む
「え???…あっ、はめられた…!」
「名無しさん、撤回なんてつまらないことするつもりはありませんよね?そんなこと…」
またにこりと微笑み、開眼。
「許しませんよ?」
「お、女に二言はないもん…っ!」
「ほら、ここですよ?ここにキスするんですよ?」
「わ、わかってるもん!///」
「名無しさん、まだですか。」
「…っ…//」
「…名無しさん、焦らしてるんですか?」
「っ…う、うるさいなぁ…っ、い、色々と準備がいるの心の!//」
「じゃあ手伝いましょうか。」
「手伝う?」
ん、と首を傾けて、名無しの顔を覗き込むようにして己の顔を突き出す。
そして背後に回されたままの腕は名無しの頭を後ろから支えるようにさせて。
「う、えっ…、そ、そんなことしなくてもっ!//」
「しやすくなったでしょう?」
手籠めにされているかのような感覚。
含み笑いをして見つめる様が、なんだかいやらしい。
「ほら名無しさん。」
「も、もうっ…//負けてたまるかっ…!//」
ええい、と宗次郎の瞳を正面から見据えて、顔を近付ける。
余裕の笑みで見つめている宗次郎の眼差しだったけれど。
もう触れる、という距離でその双眼はゆっくりと閉じられ伏せられた。
「…!///」
目を瞑るんだ、と思ったのも事実だったけれど。
その仕草に……迎え撃つような言葉を紡いでばかりだったのに――すべて受け入れてすべてを見知って…なんだって愛していますよ、とあらためて言われた気がして。
愛して、信じてやまないといった宗次郎の純真さ、健気さが垣間見えたから。
(対抗心なんて、今はいらないや…//)
刹那の間、心を奪われたように宗次郎のその表情を見つめていた名無しだったけれど。
そっと首をもたげて、宗次郎の唇に己の唇を重ねづけた。
「…っ、こ、これでいい…?//」
「ええ、上手です。」
そう言った宗次郎の頬は少し赤みが差していて。
けれど。
「でも…一回じゃ足りないなぁ。」
「え!?えっ//」
「せっかくなので、もっとください。」
甘えるように微笑む宗次郎に名無しが折れてしまったことは言うまでもなかった。
時には貴女の唇から
(あなたの唇に触れてもらいたい)
5月23日はキスの日♪ということで書きました。
(そしてある年の5月23日から宗次郎の夢小説を書き始めました。これからも宜しくお願い致します(*^^*))
「名無しさん…」
「宗次郎…//」
二人きりの場所で。
向かい合いながら、宗次郎は名無しの背中に腕を回し。
名無しはその胸の中で彼を見上げていた。
――自分をまっすぐ見下ろす宗次郎の瞳に名無しは思わず赤面する。
まだ緊張を隠しきれない、とでもいうように揺れる眼差しだけれど彼に応えるように目を合わせた。
やがて近付く宗次郎の面構に名無しの心臓はこれでもかとばかりに脈打ち強張る。
けれど彼との――宗次郎との唇の距離が埋まるにつれて、観念するように彼の着物にぎゅっとしがみ付き、目を閉じるのであった。
しかし。
「…?」
いつもなら……
けれども、ぴたりと動きを止めた様子の宗次郎に気付き、名無しはそっと目を見開いた。
「宗次郎…?」
「名無しさん、今思ったんですけど。」
目の前でじっとこちらを見据える宗次郎に思わず瞬きを繰り返して、思わず。
「…それ今言わなくちゃいけないこと…?」
「大事なことですから。」
「う、うん…?」
なんだろう、と首を傾げる名無しに宗次郎は真剣な面持ちで言葉を続けた。
「…名無しさんからキスしてくださいよ。」
「は、はあ!?//」
「いつも僕からでしょ?たまにはいいじゃないですか。」
“あの時も”
“あ、あの時も”
“そうですよ、あの時も”と続けて具体的に告げる宗次郎。
「ど…どっちからでもいいじゃん…!(待って、恥ずかしい…///)」
「そうかもしれませんけど…」
不服なのか、宗次郎は言葉を続ける。
けれど少し声を低く落ち着いたものにして。
「でも僕だけがしたいみたいで。」
「!そんなことないよ!」
「…たまには、名無しさんからしてもらって…何て言えばいいのかな、名無しさんに求められてみたい…//」
そう告げて、そうっと名無しの様子を窺い見る目は少し照れたように甘いもので。
その瞳に見つめられる。
まるで「ダメ?」と言わんばかりの駄目押し。
「名無しさんから、キスしてもらえませんか?」
「…ま、まぁ…そういうことなら…私からするね…?//」
「ふふ、ちょろいなぁ。」
ぱっと明るくなった声音。そして宗次郎はにこにこと微笑む
「え???…あっ、はめられた…!」
「名無しさん、撤回なんてつまらないことするつもりはありませんよね?そんなこと…」
またにこりと微笑み、開眼。
「許しませんよ?」
「お、女に二言はないもん…っ!」
「ほら、ここですよ?ここにキスするんですよ?」
「わ、わかってるもん!///」
「名無しさん、まだですか。」
「…っ…//」
「…名無しさん、焦らしてるんですか?」
「っ…う、うるさいなぁ…っ、い、色々と準備がいるの心の!//」
「じゃあ手伝いましょうか。」
「手伝う?」
ん、と首を傾けて、名無しの顔を覗き込むようにして己の顔を突き出す。
そして背後に回されたままの腕は名無しの頭を後ろから支えるようにさせて。
「う、えっ…、そ、そんなことしなくてもっ!//」
「しやすくなったでしょう?」
手籠めにされているかのような感覚。
含み笑いをして見つめる様が、なんだかいやらしい。
「ほら名無しさん。」
「も、もうっ…//負けてたまるかっ…!//」
ええい、と宗次郎の瞳を正面から見据えて、顔を近付ける。
余裕の笑みで見つめている宗次郎の眼差しだったけれど。
もう触れる、という距離でその双眼はゆっくりと閉じられ伏せられた。
「…!///」
目を瞑るんだ、と思ったのも事実だったけれど。
その仕草に……迎え撃つような言葉を紡いでばかりだったのに――すべて受け入れてすべてを見知って…なんだって愛していますよ、とあらためて言われた気がして。
愛して、信じてやまないといった宗次郎の純真さ、健気さが垣間見えたから。
(対抗心なんて、今はいらないや…//)
刹那の間、心を奪われたように宗次郎のその表情を見つめていた名無しだったけれど。
そっと首をもたげて、宗次郎の唇に己の唇を重ねづけた。
「…っ、こ、これでいい…?//」
「ええ、上手です。」
そう言った宗次郎の頬は少し赤みが差していて。
けれど。
「でも…一回じゃ足りないなぁ。」
「え!?えっ//」
「せっかくなので、もっとください。」
甘えるように微笑む宗次郎に名無しが折れてしまったことは言うまでもなかった。
時には貴女の唇から
(あなたの唇に触れてもらいたい)
5月23日はキスの日♪ということで書きました。
(そしてある年の5月23日から宗次郎の夢小説を書き始めました。これからも宜しくお願い致します(*^^*))