四季彩り折々
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※恋人同士になってからのお話です。
「名無しさん…どうぞ。」
「!!??」
思わず仰け反ってしまった。
宗次郎に、真顔で「名無しさんに見せたいものがあるんです」なんて言われて。
“何だ?え、何だ…?”と思いつつ体勢を整えていたけど…
「…ほら、さっさと受け取るか、いらないって言うかどっちかしてくださいよ。」
「えっ、あ、うん…いや何、そのツンデレぶり。」
──若干、照れたようにぶっきらぼうにする宗次郎。
突然のことに名無しは圧倒されながらも、恐る恐る手を伸ばして受け取った。
真紅の薔薇の花束を。
「…ありがとう。」
「たまには…何かこういうの贈るのもいいのかなって思いまして。」
「え、あ、ありがとう。」
「…お付き合いしてそれなりに経ちますし。」
「そ、そうなんだ…ありがとう。」
呆然と立ち尽くしていると、じっと見つめられた。こちらの様子を慮るように。
「…あまりお好みじゃなかったですか…?」
「えっ!そ、そんなこと、ないよ…!」
──不安げな目をしている宗次郎。
「本当ですか…?」
「うん、とっても嬉しい…!ごめんね、ちょっとびっくりしちゃって…」
名無しは花束と宗次郎の顔を交互に見ながら少し頬を染める。
「…こんな感じなんだね。」
「……?」
「…好きな人からお花贈ってもらうのってこんな気分なんだ…///」
「…!」
はにかみながら告げる名無しに、宗次郎は思わず手で口元を覆う。
「その、こんなの初めてだし、ましてや宗次郎からだなんて…」
「名無しさん、その…」
「?」
「それ以上言わないでもらえますか。」
「えっ?」
「…もう大丈夫です…//」
「でも、まだ言い足りないことが、あるっていうか…うん…」
「……じゃあどうぞ。」
宗次郎は困ったようにこちらを見たけれど、恥ずかしがるように目を逸らす。
その仕草に、ますます名無しは胸が高鳴って。
自分も贈らなければ、と感じた。
「…宗次郎、大好き。」
花束を柔らかく握りしめて、名無しは微笑んだ。
宗次郎は二、三度瞬きした後、目を丸くして、そして頭を抑えてうなだれた。
「……はあ、名無しさん。」
諦めたようにため息を吐き手を伸ばした。
そのまま宗次郎は名無しの髪に触れ、さらさらと梳く。
火照った彼の顔に見つめられて。
「…僕にはあなたしかいません。」
──戸惑いや恥じらいを払拭するかのようにもたらされる愛の調べ。
名無しはどぎまぎとしながら、宗次郎の言葉を、寵愛を、受け入れるのであった。
熱烈な恋を捧げたので
(ずっとあなたを愛しています)
『…まだそれ(花束)見てるんですか?』
『宗次郎、薔薇の花束って本数にも意味があるの…?』
『……』
『…調べてみてもいい?』
『勝手にどうぞ…え、今ここで調べるんですか?それはちょっと…』
『…うふふ♪答合わせしちゃえ♪』
『はあ…//』
五月十四日、ローズデーにちなんでのお話。
恋人に薔薇を贈る風習を聞いて書きました。
宗次郎から薔薇の花束を名無し様に。薔薇の本数はお好きな数を想像してみてください(*^^*)
「名無しさん…どうぞ。」
「!!??」
思わず仰け反ってしまった。
宗次郎に、真顔で「名無しさんに見せたいものがあるんです」なんて言われて。
“何だ?え、何だ…?”と思いつつ体勢を整えていたけど…
「…ほら、さっさと受け取るか、いらないって言うかどっちかしてくださいよ。」
「えっ、あ、うん…いや何、そのツンデレぶり。」
──若干、照れたようにぶっきらぼうにする宗次郎。
突然のことに名無しは圧倒されながらも、恐る恐る手を伸ばして受け取った。
真紅の薔薇の花束を。
「…ありがとう。」
「たまには…何かこういうの贈るのもいいのかなって思いまして。」
「え、あ、ありがとう。」
「…お付き合いしてそれなりに経ちますし。」
「そ、そうなんだ…ありがとう。」
呆然と立ち尽くしていると、じっと見つめられた。こちらの様子を慮るように。
「…あまりお好みじゃなかったですか…?」
「えっ!そ、そんなこと、ないよ…!」
──不安げな目をしている宗次郎。
「本当ですか…?」
「うん、とっても嬉しい…!ごめんね、ちょっとびっくりしちゃって…」
名無しは花束と宗次郎の顔を交互に見ながら少し頬を染める。
「…こんな感じなんだね。」
「……?」
「…好きな人からお花贈ってもらうのってこんな気分なんだ…///」
「…!」
はにかみながら告げる名無しに、宗次郎は思わず手で口元を覆う。
「その、こんなの初めてだし、ましてや宗次郎からだなんて…」
「名無しさん、その…」
「?」
「それ以上言わないでもらえますか。」
「えっ?」
「…もう大丈夫です…//」
「でも、まだ言い足りないことが、あるっていうか…うん…」
「……じゃあどうぞ。」
宗次郎は困ったようにこちらを見たけれど、恥ずかしがるように目を逸らす。
その仕草に、ますます名無しは胸が高鳴って。
自分も贈らなければ、と感じた。
「…宗次郎、大好き。」
花束を柔らかく握りしめて、名無しは微笑んだ。
宗次郎は二、三度瞬きした後、目を丸くして、そして頭を抑えてうなだれた。
「……はあ、名無しさん。」
諦めたようにため息を吐き手を伸ばした。
そのまま宗次郎は名無しの髪に触れ、さらさらと梳く。
火照った彼の顔に見つめられて。
「…僕にはあなたしかいません。」
──戸惑いや恥じらいを払拭するかのようにもたらされる愛の調べ。
名無しはどぎまぎとしながら、宗次郎の言葉を、寵愛を、受け入れるのであった。
熱烈な恋を捧げたので
(ずっとあなたを愛しています)
『…まだそれ(花束)見てるんですか?』
『宗次郎、薔薇の花束って本数にも意味があるの…?』
『……』
『…調べてみてもいい?』
『勝手にどうぞ…え、今ここで調べるんですか?それはちょっと…』
『…うふふ♪答合わせしちゃえ♪』
『はあ…//』
五月十四日、ローズデーにちなんでのお話。
恋人に薔薇を贈る風習を聞いて書きました。
宗次郎から薔薇の花束を名無し様に。薔薇の本数はお好きな数を想像してみてください(*^^*)